2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析による統合失調症と双極性障害の病態に共通する分子の探索
Project/Area Number |
20659181
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 紀夫 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40281480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 拓 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (10377426)
|
Keywords | 統合失調症 / 双極性障害 / プロテオーム / タンパク発現 / 遺伝子翻訳後修飾 |
Research Abstract |
リンパ芽球様細胞株は性別および年齢を一致させた統合失調症患者と対照健常者の末梢血液よりリンパ球細胞を単離し,エプスタイン・バールウイルスを用いて作成した.サンプルの調製は同一培養条件で21日間の継代培養を行った細胞からタンパク質を抽出した.2D-DIGE法を用いてタンパク質の発現差異解析を行い,PMF法により分子の同定を行った.さらに,同定されたタンパク質についてDAVIDを用いて同定分子の生体内における機能分類を行い,GSEAによって分類された項目の評価を行った. 性別および年齢の一致した統合失調症患者および健常者の末梢血液由来リンパ芽球様細胞株のうち,増殖の優れなかった細胞株は解析対象から除外し,患者・対照群それぞれ29例について2D-DIGE法によるタンパク質の網羅的発現差異解析を行った.各群において発現を認めた平均スポット数は,患者群1102.8±13.3個,対照群1102.6±16.2個であり,両群間に有意な差は認められなかった.検出された全1174個のスポットについて発現量を比較検討した結果,両群間において発現変化の認められたスポット数は20個であった(Student's t-test, p<0.05).発現変化の認められた20個のスポットについては,PMF法によるタンパク質の同定を行い,1つのスポットから複数のタンパク質の可能性が見出されたものを含め,22個のタンパク質を同定した.同定した22種類の分子についてDAVIDを用いて機能分類を行った.PANTHER Biological Processのデータベースに基づいてGSEAを行った結果,有意差の認められた項目は,"protein metabolism and modification"(7 genes), "ligand-mediated signaling"(5 genes), "apoptosis"(4 genes)であった。
|