2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療における体内刺入型リアルタイム式マイクロ線量計の開発
Project/Area Number |
20659184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 章吾 Tohoku University, 病院, 教授 (60158194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 英敏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134020)
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Keywords | がん / 放射線治療 / リアルタイム線量計 / マイクロ線量計 / 体内埋め込み方式 / CdTe半導体 / ワイヤレス給電システム / ワイヤレス通信システム |
Research Abstract |
定位放射線治療、強度変調放射線治療(IMRT)など、がんに対する放射線治療は近年急速に進歩しており、照射精度の向上も著しい。にもかかわらず過剰照射、過少照射などの医療事故が多発している。こうした医療事故の原因は体内の照射線量をリアルタイムにモニタができないことに起因する。リアルタイム式体内刺入型マイクロ線量測定システムが開発きれば、その信号を元に治療装置の制御が可能であり、正確な照射線量投与と同時に、医療事故を皆無にできる。本システムは放射線治療を行う上で必須のシステムであるが、放射線検出方法および体外モニタリングが困難なことから、いまだ開発に至っていない。私どもは工学系研究科の石井研究室との共同研究により、実際のリニアックによる線量率1〜6Gy/minのX線照射に対してCdTe結晶が線量に比例して20〜90nAの微弱な電流を発生し、リアルタイムのモニタリングが可能であることを確認した。徴弱な電流を増幅し、体外で信号を受信する通信方法にはRF-ID方式がよく、通信搬送波13.5kHzが最適で、体内20cmからの信号受信には総電力として20mW程度の電力供給が必要なことを実験および計算から得た。今年度は工学系研究科松木研究室と共同で、給電コイルおよび受電コイル作製した。受電コイルは直径0.7mm、長径10mmで穿刺針にて十分体内への刺入が可能である。本システムを用いて給電特性および受動特性の測定を行った。その結果、空気中および生理食塩水中でほぼ同様の特性が得られ、体外から体内へ20mW給電可能であることを確認した。同時に放射線治療時を想定した信号・電力同時伝送実験を行い、給電時においても通信可能であることを確認した。本研究の最大のネックであった給電システムが完成したので体内埋め込み型リアルタイム式マイクロ線量計の実用化に大きく一歩近づいた。
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Research Products
(4 results)