2010 Fiscal Year Annual Research Report
PET用核種を用いたがん治療:定量性に優れたがんのRI内用療法
Project/Area Number |
20659185
|
Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
飯田 靖彦 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (60252425)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織内 昇 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40292586)
石岡 典子 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (30354963)
|
Keywords | がん / PET診断 / 集積機序 / 治療 / Br-76 / グルコース |
Research Abstract |
現在PETで用いられている放射性核種(RI)はいずれも半減期が短く(^<18>F:110分、^<15>O:2分、^<13>N:10分、^<11>C:20分)、その利用にはサイクロトロンを必要とするなど汎用性の点で劣っている。これに対し^<76>Brは半減期16.2時間で臨床利用する上で適した半減期を有するポジトロン放出核種であり、^<18>Fや^<123>Iと同じハロゲンであることから低分子化合物を母体とする新しいPET用放射性薬剤の開発に適したRIとして期待される。さらに^<76>Brはエネルギーが高く、がんに選択的に集積させることができれば有効ながん治療薬になり得る。我々はこの^<76>Brの物理化学的性質に着目し、^<76>Br標識グルコース(^<76>BrDG)を合成してそのがん治療効果を基礎的に検討してきたが、^<76>BrDGは^<18>F-FDGに比べがんへの集積が低く、明らかな治療効果を認めなかった。そこで褐色細胞腫、カルチノイド腫瘍、神経芽細胞腫などへの高い集積が報告されているmeta-iodobenzylguanidine(MIBG)に着目し、MIBGの放射性ヨウ素を^<76>Brに置き換えた^<76>BrMBBGを合成し、その腫瘍集積性いついて検討した。その結果、^<76>Br-MBBGは培養細胞を用いたインビトロ実験系においてノルエピネフリントランスポーター(NET)陽性PC-12細胞に高い集積を示すとともに、インビボにおいてもヌードマウスに移植したNET陽性PC-12細胞に高く集積することが明らかとなった(約30%dose/g)。この結果をもとに、今後^<76>Br-MBBGのがん治療効果を明らかにしていく。
|
Research Products
(2 results)