2009 Fiscal Year Annual Research Report
7TMRIを用いた動脈硬化性病変の画像診断技術の開発
Project/Area Number |
20659193
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平井 俊範 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (40274724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入口 紀男 熊本大学, 総合情報基盤センター, 教授 (00347006)
永井 竜児 日本女子大学, 家政学科, 講師 (20315295)
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Keywords | MRI / 炭素13含有化合物 / 炭素13MRI / 生活習慣病 / 動脈硬化 / メイラード反応 / モノクローナル抗体 / 動物実験 |
Research Abstract |
本研究では、生活習慣病に伴う動脈硬化性病変に多く蓄積することが報告されているメイラード反応後期生成物(AGE)の1つであるCEA(カルボキエチルアルギニン)に対するモノクローナル抗体作製をまず行っている。作製された抗体にて動脈硬化関連病変の免疫組織染色を行ったところ病変部への良好な集積を認めた。今回、作成された抗マウスCEA抗体を産生するハイブリドーマ細胞培養液に炭素13標識メチオニンを添加し、炭素13標識メチオニンを含有したモノクローナル抗体作製に成功した。その作製された炭素13標識モノクローナル抗体を精製した後に核磁気共鳴装置にて測定したところ、抗体に組み込まれた炭素13標識メチオニン由来と思われる非常に強いシグナルを確認することができた。その後、ラットにCEAを多量に含む牛血清アルブミンを静脈内投与し、CEAを多く持つと思われる仮想動脈硬化病変ラットを作製した。このラットにCEAに対する炭素13標識モノクローナル抗体を投与した群と炭素13標識を行っていないモノクローナル抗体を投与した群を作り、おのおののラット群は凍結保存された。これらの動物標本は今後、動物用実験用7TMRIにて炭素13MRIを撮像し体内での分布を確認することとなっている。当研究室では炭素13にて標識されたメチオニンを悪性神経膠腫細胞移植後のマウスに投与したものに対して、炭素13MR画像の撮像に成功していることから前述炭素13標識抗体による生体内での病変描出は可能と考えている。この実験が成功すれば、動脈硬化性病変のさまざまな抗原に対して炭素13標識モノクローナル抗体を投与し、分子レベルでの反応をMRIで画像化できるようになるものと思われる。
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