2008 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子NFkBをターゲットとした新しい薬剤流出ステントの開発
Project/Area Number |
20659196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤堂 省 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (80256510)
山下 健一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (00399940)
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Keywords | 医療・福祉 / ステント / 動脈硬化 / 構造・機能材料 / NFkB阻害剤 |
Research Abstract |
NFkB阻害剤(D-MEQ)をもちいた新たなステントの開発に向け、以下の基礎的実験を行った。 1)ステント再狭窄の原因となる血管平滑筋細胞へのD-MEQの増殖抑制効果を確認するため、ラットの血管平滑筋細胞で増殖抑制試験、毒性試験を行ったところ、10〜20μg/mlの濃度で増殖抑制効果を示した。 2)D-MEQをテトラヒドロフランに溶解し、ポリカプロラクトン(PCL)と混合させてキャスト法にて0から20%D-MEQ含有膜を作成した。その膜上でラット血管平滑筋細胞を培養したところ、5%膜で6日目に、10%膜で3日から9日目まで有意に増殖が抑制されることが確認され、再狭窄の予防効果が期待された。 3)ハニカム膜を同様にPCLで作成し、膜上でラット血管内皮細胞を培養すると、ハニカム膜上でやや増殖が促進し、ステント留置後の再内皮化の促進作用も期待された。 4)In vitroでのD-MEQ溶出量を測定するために、5%、10%D-MEQ溶出膜を培地(DMEM)に浸漬し、D-MEQ溶出量を測定すると、30分で5%膜4.9μg/ml、10%膜17.6μg/mlでピークとなり、その後減少して2日目で検出されなくなった。In vivoでSDラットにD-MEQ溶出膜を背中に留置して血中濃度を測定すると、24時間後に5%膜38.6ng/ml、10%膜16.0ng/mlでピークとなり、7日後にはほぼ測定限界値まで減少した。PCL膜の分解時間を見るためにD-MEQ溶出膜とハニカム膜をin vitroでPBSへ浸漬させると、4ヶ月後も重量変化はほとんど見られなかった。In vivoでラットにPCL膜を留置して3ヶ月後に取り出したが外観に変化が無く、D-MEQの残存が確認された。この結果から分解が想定よりも長くなることが示唆されたため、素材について再考する必要があると思われた。
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Research Products
(30 results)