2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子NFkBをターゲットとした新しい薬剤流出ステントの開発
Project/Area Number |
20659196
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤堂 省 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (80256510)
山下 健一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (00399940)
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Keywords | 医療・福祉 / 外科 / 循環器・高血圧 / 構造・機能材料 / 薬学 |
Research Abstract |
前年薬剤の保持ポリマーとして使用したPCL膜は分解時間が長く、DHMEQを徐放し、生体内で分解するという観点からは今後ポリマーの再検討が必要であった。そこで今年度ではハニカム膜の外側にDHMEQを搭載したゼラチンゲルを塗布して薬剤を溶出させる方法を検討した。メリットとしてハニカム膜にDHMEQを混ぜる必要がなく、ゲルは溶出速度とハニカム膜との親和性のみ考慮すればよいことが挙げられる。ゲルの溶解速度はグルタールアルデヒド(GA)でゲルの分子を架橋することで調整した。 最初にGAによる反応時間と濃度の影響を検討したところ、GA濃度0.05%/37℃で反応時間30分で作成したものが7日後の溶解率が50%であった。そこで反応条件を0.05%/10分とした。 これにDHMEQ(5%、10%w/w)を搭載したDHMEQゼラチンゲルを作成し、in vitroでDHMEQの溶出速度を30min,60min,3h,6h,12hの時間でHPLCで測定したところ、30分で濃度がピークとなり、12時間後には検出限界以下まで低下した。薬剤はPCL膜と同様、浸漬後数時間で大部分が溶出していると考えられる。 次にステントにゼラチンゲルを巻きつける方法を検討した。DHMEQゼラチンゲルは乾燥後弾性を持たないため、まずステントにPCLハニカム膜を巻きつけ、ゼラチンゲルにステントを浸漬する方法を検討したが、ステント拡張時に膜に破損が見られた。そこで直接ステントをゼラチンゲルに浸漬・乾燥して塗布する方法を検討したところ、顕微鏡下で膜が塗布されている様子が確認できた。以上よりDHMEQゼラチンゲルをステントに搭載するには直接ゲルをステント支柱に浸漬させる方法が現実的であると思われた。
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