2008 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍幹細胞を応用した実験動物組織に代替可能な高次人工組織の開発
Project/Area Number |
20659200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片野 光男 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 典宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (20423527)
中村 雅史 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30372741)
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Keywords | 腫瘍幹細胞 / 遺伝子操作 / 高次人工組織 / 代替組織 / 擬似組織幹細胞 / 三次元培養 / 移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は、胚性幹細胞や組織幹細胞の代わりに、既存の株化腫瘍細胞中の腫瘍幹細胞(あるいは多分化能を有する細胞分画)を用いて、培養環境や遺伝子操作により動物実験の代替となりうる(あるいは実験動物の使用を減少しうる)高次の人工組織を開発することである。 本年度の当初計画に基づいて成果を記載する。 ステップ1:Cell sorterによる腫瘍幹細胞分離 MCF-7細胞においては蛍光色素法によるside population分画あるいはおよびCD24-/lowCD44+分画に腫瘍幹細胞が存在することを免疫不全マウス移植系を用いて確認した(Anticancer Res, inpress)。さらに、当初計画に沿って、同分画の多分化能を確認した。さらに、同様の操作により、大腸癌細胞においてもほぼ同様の成果を得た(日本外科学会総会にて一部報告)。 ステップ2:腫瘍幹細胞の遺伝子操作 ステップ1にて、形態形成シグナル系関連遣伝子(Hedgehogシグナル、Wntシグナル)が腫瘍幹細胞の薬剤排出能や多分化能に関与していることが判明した(Anticancer Res, in press、日本外科学会総会)。また、ナノパーティクルを用いる方法において、これら腫瘍幹細胞分画にGli1を初めとする形体形成シグナル関連遺伝子の強制発現やノックアウトが可能なことを確認する段階へ進んだ。 ステップ3および4:高次人工組織作成と解析 現在、最終目的である遺伝子改変腫瘍幹細胞をわれわれの作成した三次元培養系(タイプIコラーゲンおよびヒト線維芽細胞で構成)で培養し高次組織を作成する準備に入っている。
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