2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫逃避克服による新規癌ペプチドワクチン療法の確立
Project/Area Number |
20659202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
平田 公一 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (50136959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30347174)
鳥越 俊彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20301400)
古畑 智久 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (80359992)
山口 浩司 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60315512)
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Keywords | 癌ペプチド / ワクチン / 免疫 / 逃避機構 / 治療 |
Research Abstract |
進行・再発消化器癌および乳癌を対象に“サバイビン2Bペプチド"によるペプチドワクチン療法・第一相臨床試験を開始・継続し、ペプチド特異的CTL誘導の成しえた症例を経験した。しかし臨床学的抗腫瘍効果に直結しない症例も多く経験した。免疫学的反応を認めながらも臨床学的抗腫瘍効果を誘導しえなかった高頻度の癌としては、MHCクラスI発現低下頻度の高い乳癌が特徴的な癌腫としてあげられた。腫瘍細胞上の低下したMHCクラスI発現を増強しえると、更なる高い臨床学的抗腫瘍効果を誘導しると考えられた。そこでHDAC阻害剤が乳癌細胞株上のMHCクラスI発現を増強させることが報告されているため、HDAC阻害剤併用投与により発現低下したMHCクラスIが発現増強し、臨床的抗腫瘍効果を高率に誘導できる次世代の新しいペプチドワクチン療法の樹立を目的とし、HDAC阻害剤であるバルプロ酸(デパケン[○!R]:協和発酵株式会社)投与による臨床試験を予定するための臨床試験計画書を作成した。一方、MHCクラスI発現が低下・消失していた乳癌症例を始め、大腸癌症例、膵癌症例における予後調査と免疫学的解析を主体とした基礎研究が不十分と思われた。そこで本試験実施のための関連基礎研究の積み上げが必要と考え、MHCクラスI発現作用に関する基礎的研究とHDAC阻害剤が特異的CTLにどのような作用を及ぼしうるかの基礎的研究を加えた。新たなるペプチドワクチン療法確立を目指してのサバイビン2Bペプチドワクチン療法としてのバルプロ酸併用療法における免疫学的反応性を検証するための前段階の基礎データの確認を行った。今後はその単独投与、あるいは、その投与の安全性確認例においてはペプチドとの併用投与を行う臨床研究への展開のために、今年度の基礎研究成果はほぼ十分なものであったと考えている。今後の臨床研究実施のための確証を再確認し、早期の臨床研究実施を目指したい。
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Research Products
(15 results)