2008 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎は潰瘍性小腸大腸炎である(DSS誘導小腸大腸炎モデルの作製)
Project/Area Number |
20659205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 巌 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 浩平 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (20271900)
小川 仁 東北大学, 大学病院, 講師 (00312570)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / 回腸嚢炎 / dextran sodium sulfate |
Research Abstract |
本研究の目的は、潰瘍性大腸炎が大腸に限局する疾患であるとの認識をあらため、小腸にも病変を生じうる疾患であると捉えなおすことにより病因・病態を解明しようとするものである。その手段として、Dextran sulfate sodium(DSS)誘導小腸大腸炎モデルを作成しようというものである。今年度は以下の項目につき検討を行った。 1. 粘膜炎症評価のための組織学的炎症グレードの確立 : まず、通常の3%DSS自由飲水1週間投与により、DSS誘導大腸炎を型どおり作成し粘膜炎症評価のための組織学的炎症グレードの確立を行った。実験腸炎の組織学的評価基準はいろいろあるが、今回Okayasuらの基準に準拠し0. 正常、1. 多核白血球を含む炎症細胞の局所的浸潤、2. 炎症性細胞浸潤、腺上皮の脱落と陰窩膿瘍、3. 潰瘍形成により点数化を行うこととした。 2. DSS至適投与量、投与期間の検討 : 通常のDSS誘導大腸炎モデルにより、投与濃度、投与期間を検討した。3%自由飲水では5日間投与で上記の炎症の点数化により0.7前後、10日間で1.7から2.0前後の高度の炎症を認めた。一方、5%の自由飲水では炎症が強く7日間で半数以上が死亡した。したがって、今後の一連の実験は3%DSS投与を中心に行うこととした。 3. ラットを用いた大腸全摘術モデルの確立 : 当初、直腸の全切除により手術死亡が多数見られたため、残存直腸の長さを変えざるを得なかった。その結果、残存直腸5-10mm程度で30-40%の死亡であった。そこで、本術式後にさらにDSS投与は難しい可能性が高いと判断された。そこで、まず大腸空置モデルにDSS投与を行うこととした。
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