2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮の原因シグナル分子の機能解析とその選択的阻害薬の探索
Project/Area Number |
20659222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小林 誠 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80225515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 博子 山口大学, 大学院・医学件研究科, 講師 (40359899)
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Keywords | 脳血管障害 / 脳血管攣縮 / 質量分析 / 治療薬 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
申請者らは、脳血管攣縮の原因シグナル経路として、「SPC⇒Srk-TK⇒Rhoキナーゼ⇒Ca2+非依存性収縮」を見出した。さらに、血圧の維持に必要な正常収縮(=Ca2+依存性収縮)には影響を与えずに、この異常収縮のシグナル経路を特異的に阻害する物質としてEPAを見出した。また、in vivoおよび臨床研究において、EPAが脳血管攣縮を阻害する事が示された。しかしながら、EPAは内服のみ可能であるため、速効性がない。従って、本研究の目的は、血管攣縮の新規の原因シグナル分子を同定し、EPAに代わる、「正常収縮(血圧維持)を抑える事無く、血管攣縮を阻止できる速効性あるいは注射可能な特効薬の開発を目指すことを目的としている。そのためには、まず、申請者らの得意とする機能的プロテオミクス、遺伝子工学、蛋白工学を応用して、血管異常収縮の原因分子を網羅的に同定する。さらに、同定した分子の分子機能を検討すると共に、血管攣縮に対する役割についても検討を行う。さらに、これらの同定された病因分子と特異的に会合する分子群を網羅的に探索し、新しい創薬の標的分子の同定を試みる。 初年度は、血管異常収縮のシグナル経路を検討し、新規シグナル分子の同定を試みた。まず、Src-TKの中のどの分子が関与しているか、遺伝子組み換え体のリコンビナント蛋白を用いて検討し、Fynチロシンキナーゼが関与していることを示す結果を得ることが出来た。また、質量分析により、血管異常収縮に関与する複数の膜蛋白の候補分子を同定した。さらに、EPAと同様な性質を有する新規の異常収縮抑制分子となる候補物質を同定できた。
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