2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20659237
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高田 康成 Keio University, 医学部, 講師 (40407086)
|
Keywords | AP-1 / Fos / Osteoclast / Cathepsin K / Cre-recombinase / RANKL / Adenovirus / 骨カップリング |
Research Abstract |
われわれは破骨細胞分化の際c-Fosの発現を解析し続けてきており、とても興味深い経時的変化を観察した。それは破骨細胞分化因子RANKLの刺激後30分以内にc-Fosの発現が一過性に誘導され(第1次発現)、発現が一旦低下した後、c-Fosの発現が再び誘導される(第2次発現)ことである。破骨細胞分化の初期に働くNFATc1の発現は第1次発現のc-Fos依存的に誘導され、一度発現すると自らの転写を亢進させて自己増幅を行なうことから(Asagiri,2005)、c-Fosとは無関係に破骨細胞分化を促進してゆくと考えられている。そこでわれわれが疑問に思ったのが、第2次発現のc-Fosの発現の意味は何か、と言う点である。我々は破骨細胞分化の際のFosの第1次発現をそのままに、第2次発現のみを取り除くことより、c-Fosの第1次発現に依存する遺伝子群と、c-Fosの第2次発現に依存的な遺伝子群の2群が存在することを見いだした。本研究は、破骨細胞分化の際のc-Fos第2次発現に依存的な遺伝子群の解析を行なうことにより、c-Fosによる骨カップリング調節などの新たなる役割を解明することを目的とした。 培養細胞を用いて、第2次c-Fos発現を取り除くことにより、成熟した多核の破骨細胞が形成されず、骨切片上で分化させた際も骨吸収を示さないことから、c-Fosの第2次発現は破骨細胞分化に重要であることが明らかとなった。さらに、第2次c-Fos発現を取り除いた破骨細胞は、対照群の破骨細胞に比べ、成熟分化後死ににくいことがApoptosisアッセイによって示された。これらのことより、第2次c-Fos発現は破骨細胞の成熟化と寿命を制御していると考えられた。
|
Research Products
(2 results)