2009 Fiscal Year Annual Research Report
祖先帰り制御因子Notch ligand操作による脳虚血後神経再生促進法の開発
Project/Area Number |
20659242
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 繁 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40251110)
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Keywords | 再生医学 / 神経幹細胞 / Notch ligand |
Research Abstract |
重症患者管理における脳虚血の防止と、脳虚血が生じた場合の悪化阻止、回復促進、障害程度を軽度にとどめ、リハビリテーションを通じて回復を促進させる手法について研究を実施した。臨床の現場においては、予防的な対策が採れる場合は限定的であるが、一度確立した神経障害に対しても、保存的な処置やリハビリテーション的を効率的に行うことによって、相当な回復促進管理が可能と言われつつある。このため、診断法の一助となる脳血流評価について分析を加え、血管反応性に関する研究を行った。その結果、残存した神経細胞の機能維持、機能補填による機能温存にとどまらず、積極的な神経再生を促進する治療法に関しても開発が可能と考えられた。第一に、成熟脳やその他の成熟神経組織においても存在する未分化な細胞を合目的に誘導分化させる方法を開発することが可能であることを確認した。現在、神経障害後など神経組織の修復が必要な状況で、内因性に活性化され再生促進に寄与する可能性が示唆されている因子にフォーカスを当てている。今回の研究では、先祖帰り制御因子Notch ligand操作にによる再生促進を試み形態学的な解析を行った。第二に、脳血流評価に関する研究では各種の鎮静・麻酔薬、あるいは循環作動薬が脳血管の反応性に影響を与え、いわゆる自動調節能に変化が惹起されることを確認した.以上のことにより、栄養因子の血管再性能に関する研究も、まずは末梢循環をモデルとして臨床研究において効果と副反応について解析を行うことが重要であるということが分った.これらの研究からは、血流再開による機能回復に関する知見が得られ、今後の臨床応用に向けての基礎データが得られている.これらに加えて、再生環境を整えることも重要であることから、神経突起再生に至適なグルコース濃度についても解析を進め、いわゆる正常血糖閾が理想的であるということを解明した.
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