2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム病としての前立腺がんー内因性レトロウイルスとアンドロゲン調節領域ー
Project/Area Number |
20659248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高 榮哲 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (90283134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 敦 金沢大学, 附属病院, 講師 (50248580)
小中 弘之 金沢大学, 附属病院, 講師 (40334768)
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Keywords | 前立腺がん / 内因性レトロウイルス / アロマターゼ / トランスポゾン / 酸性ホスファターゼ / テストステロン |
Research Abstract |
Transposal element (TE)は、ヒトゲノムの半分以上を占める。TEはLTR(long terminal repeat)のあるERV (endogenous retrovirus)とLTRのないSINE、LINE、DNAトランスポゾンなどに分類される。TEはゲノムに挿入され、1. Regulatory region and promoter化2. Exonization(エクソン化) 3. Polyadenylation signal化4. その他の作用を惹起させ、本来のゲノムに影響を与える。初年度では、前立腺癌に関与する遺伝子とTEをGenBank上で検索した。その結果次、a)CYP19、b)ACPP、c)HSD17B2の遺伝子がTEによって影響を受けていることがわかった。A)はaromataseであり、エストラジオールを産生する酵素であり、b)は前立腺癌の腫瘍マーカーともなっている酸性フォスファターゼ、c)の17β-hydroxy steroid dehydrogenaseはテストステロンを産生する酵素である。それぞれのannotation情報によると、A)はHERV Iの感染によって、ExonlをExonizationするとともに調節領域を付加する、B)はSINEの挿入によって発現の調節領域が付加されている。c)MER67の挿入によって、Exon4を提供している。HERVはLTRの存在するレトロウイルスで、LTRを分析することで、その感染時期を推定できるので、現在解析中である。次年度は、本格的にA),B),C)の機能を解析する予定である。また、本研究は霊長類進化の過程で、レトロウイルスがエクソンを提供し、実質的な遺伝子として機能をもつことになるので、しかもこれらの因子はtransposableであるので、変異しやすい領域とも考えられる。したがって、なんらかのトリガーがかかる可能性があり、前立腺がん易感受性領域を癌患者で検証し、癌早期発見の一助になる可能性を検証する。
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Research Products
(1 results)