2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体内分解性高分子微粒子を用いた子宮局所におけるドラッグデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
20659258
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 正 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (90240845)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 建紀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00294075)
中村 仁美 大阪大学, 医学部附属病院, 特任臨床検査技師 (80467571)
|
Keywords | 子宮 / drug delivery system(DDS) / カチオン化多糖 / bio-nanocapsule(BNC) / 不妊 / pre-eclampsia |
Research Abstract |
新たな子宮に対するdrug delivery system(DDS)として、カチオン化多糖およびB型肝炎ウイルス(HBV)を利用したウイルス粒子を用いた中空ナノ粒子であるbio-nanocapsule(BNC)を用いることについて検討を行った。カチオン化多糖には、経口薬剤のコーティング剤として既に広く用いられている、デキストランおよびプルランを用いた。カチオン化した多糖とplasmld DNAの複合体を作成し、子宮に最適な条件の検索を行った。マウス生体内子宮に対して、luclferase強制発現プラスミドベクターの導入および導入子宮を用いたluclferase assayの結果、カチオン化プルランおよびデキストランを用いて、子宮にたいしてin-vivoで遺伝子導入ができることを確認した。 BNCは酵母を用いて精製され、この粒子はすでに全世界で20年以上も臨床で使用されてきたB型肝炎ワクチンと同様の構造であり、BNCを臨床応用する際の毒性や安全性に対する懸念を著しく低減できる。BNCはHBVがその表面に肝臓に特異的な結合部位を持つために、全身投与したとしても肝臓に特異的に送達される特性を持っている。我々はこの肝臓に特異的な結合部位であるpre-S1領域のN末端を他のペプチドに置換した。子宮局所には、開腹する事なく、直接的に子宮腔内にアプローチが可能であるために、これにより子宮局所に投与が可能である。これまでに、BNCの粒子が一過性に子宮に滞留する条件を設定し、BNCが腹腔内に移行していないことを確認した。BNCを用いてマウス生体内子宮に対して、luciferase強制発現プラスミドベクターの導入および導入子宮を用いたluciferase assayの結果、BNCを用いて生体内子宮に遺伝子導入ができることを確認した。 次年度は導入した遺伝子の発現期間および、妊娠への影響について検討を行う。子宮に対して広く応用する事を視野にいれ、妊娠初期、中期および後期に妊娠に影響を与えることなく、遺伝子導入ができるようにさらに至適化する事を次年度の目標とする。
|
Research Products
(29 results)