2008 Fiscal Year Annual Research Report
Wee1Bを介した哺乳動物卵母細胞減数分裂機構とその異常
Project/Area Number |
20659260
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 真 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (40217774)
|
Keywords | 減数分裂 / 細胞周期 / 不妊 |
Research Abstract |
Wee1A遺伝子は分裂酵母Wee1と相同性を示し、ヒトWee1Bときわめて類似の構造を持つキナーゼで申請者らにより世界に先駆けて同定された。申請者らはWee1Aキナーゼが酵母Wee1、哺乳動物相同分子Wee1Bと同様にCdc2(Cdk1)分子のチロシン15(Y15)を選択的にまた効率的にリン酸化することを明らかにしてきた。本研究では、Wee1Aが哺乳動物において減数鵜分裂を制御し、ヒトにおける不妊の原因ではないかとの推察に基づき計画された。興味深いことに、マウスWee1Aは卵母細胞およぎ受精後2日前後のみに発現が認められ、減数分裂への関与が強く疑われた。一方、Wee1B遺伝子の発現はWee1Aとは排他的であり、受精後2日頃から発現が認められ、その後上昇した。このことはWee1Bが体細胞分裂を制御している可能性を示している。興味深いことに、カエル卵母細胞あるいは酵母においては受精後に一過性にWee1Aタンパク質の消失を認め、この消失が減数分裂の進行に重要であると考えラレテいるが、哺乳動物細胞においてはWeeAタンパク質の消失は認めず、代わりにWee1Aタンパク質のリン酸化と思われるタンパク質修飾を認めた。これらの結果は、Wee1Aタンパク質が減数分裂進行に必須の役割をしており、とりわけCdk1分子のチロシン15のリン酸化を制御して減数第一分裂に関与していることを示している。現在、Wee1A遺伝子の変異がヒトにおける不妊に関与しているかどうか解析している。
|
Research Products
(11 results)