2008 Fiscal Year Annual Research Report
大豆蛋白成分の網羅的解析による早産予防効果の実証実験
Project/Area Number |
20659261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
古川 直人 Nara Medical University, 医学部, 助教 (50347556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
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Keywords | 早産 / 炎症 / 大豆蛋白 / ビクニン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
ウリナスタチン(ビクニン)は早産治療に対して臨床応用されているが、尿から精製された薬剤である。我々はウリナスタチンのクニッツ型構造を持つ大豆ビクニンを発見した。今回、大豆ビクニンの抗早産作用を実証すべく、炎症過程のシグナル伝達やサイトカイン産生抑制を解明して、分子モデル設計を実施して分子標的低分子薬としての開発に着手する。我々はヒト羊水・尿中から毒性のない生理的な抗炎症物質(ビクニン)を発見し、既に産科領域では早産予防として「ウリナスタチン膣坐薬」として臨床で広く使用されている。この物質は細菌感染(細菌性膣症)等による炎症をサイトカイン産生抑制を介して制御することが可能である。ビクニンは連日患者に静脈投与するか、妊婦の場合は膣内投与しなければならない。我々が発見した「大豆ビクニン」は経口投与可能であり、分子モデル設計を実施して分子標的低分子薬の開発に着手できる。 今回の研究の目的は、大豆ビクニンを大量に精製し、早産動物実験により抗早産作用を確認することである。 1.不二製油株式会社工場で従来廃棄されていた大豆胚芽を安価で購入し、大豆ビクニンの大量生産系を確立するための基礎実験を行った。企業と協力し、従来の蛋白精製法であるイオン交換カラムとゲルろ過法により分子量20kDaの大豆ビクニンを精製した。 2.大豆ビクニンの抗炎症作用の検討を行った。 大豆ビクニンとヒトビクニンによるリン酸化抑制実験:培養系に事前に大豆ビクニンとヒトビクニンを1μM添加しておき、その後30分後にリポポリサッカライド100ng/ml添加することにより、細胞内蛋白リン酸化としてMAPキナーゼのMEK1/2,ERK1/2,JNK,p38,PI3キナーゼ,Akt系のリン酸化が抑制されたのをウエスタンブロットで確認した。
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