2008 Fiscal Year Annual Research Report
外有毛細胞に存在するモーター蛋白質プレスチンの変形量解析:一分子直接計測の試み
Project/Area Number |
20659263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 仁 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (30111264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 浩司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00451534)
石原 研治 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00312596)
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Keywords | 外有毛細胞 / Prestin / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
蝸牛内コルチ器に存在する外有毛細胞(Outerhaircell : OHC)は膜電位に同期した伸縮運動を示す. その伸縮運動により我々の聴覚の鋭敏さは実現されている. OHCの伸縮運動の源は, 細胞側壁に存在するタンパク質モータprestinの構造変化であると考えられている. Prestinが膜電位を感知し, 変形して2種類の形状, すなわち「小さい状態」と「大きい状態」を取り, その大きさの違いでOHCの細胞長を変化させていると推察されている. しかし, 現在までにprestinが変形し, サイズを変えているという証拠は皆無である. そこで本研究では, パッチクランプおよび原子間力顕微鏡を用いてprestinの構造を一分子レベルで直接計測することを目指す. モータ分子prestinの構造変化が明らかになれば, OHCの伸縮運動のメカニズムの解明が大きく前進すると考えている. その成果は, 聴覚の鋭敏性すなわちOHCの伸縮による蝸牛増幅機構の全容解明へ発展すると期待できる. 平成20年度はprestin一分子を原子間力顕微鏡のカンチレバーに吸着させることを目指し, 下記の研究を行った. [1]C末端にAviタグを融合したprestinを哺乳類由来細胞株であるChinese hamster ovary細胞に発現させるため, その遺伝子を構築した. [2]Aviタグ融合prestinを安定に発現する細胞株を樹立した. [3]Aviタグ融合prestinはprestinの機能を有していることをパッチクランプ法により確認した. [4]Prestinを発現する細胞の細胞膜を単離し, 細胞膜上のprestinを, Aviタグを利用してビオチン化した. [5]原子間力顕微鏡のカンチレバーをストレプトアビジンで修飾した.
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