2008 Fiscal Year Annual Research Report
入力非依存性中枢聴覚伝導路のMRIによる髄鞘化の研究
Project/Area Number |
20659267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
加我 君孝 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 東京医療センター・臨床研究センター, センター長 (80082238)
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Keywords | 聴覚 / 両耳性 / 可塑性 / 人工内耳 / 小耳症 |
Research Abstract |
本年度は「聴覚に関する入力非依存性脳幹から大脳皮質に至る聴覚伝導路の髄鞘化について」明らかにすることを目標とした。 1.5テスラーのシーメンス社及びGE社のMRIを用いた。脳の髄鞘化の評価はT_1とT_2を用いた。ただしMRIではblurring現象が髄鞘化の評価を難しくするため、region-of-interest(R-O-I)に基づいて分析した。中枢聴覚伝導路の各中継核の周辺の白質および聴皮質と言語中枢の髄鞘化を評価した。R-O-Iの測定はGE-横河電機が開発したcentricity web-J softwareを用いて解析した。さらにMRIテンソール拡散画像の撮影も行った。R-O-Iの分析の対象とする中枢聴覚伝導路の神経と中枢核は、(1)蝸牛神経、(2)蝸牛神経核(背側核と腹側核)、(3)上オリーブ核、(4)外側毛帯核、(5)下丘、(6)内側膝状体、(7)聴放線、(8)脳梁、(9)聴皮質、(10)言語中枢である。すでに乳幼児の発達と聴性脳幹反応(ABR)の関係のわれわれの研究では発達期の脳幹の髄鞘化に強く影響を受けることがわかっている。当然ながら大脳レベルでも同様のはずで、1920年代のFlesigの胎児の髄鞘染色による研究や1960年代のYokovlev等の発達期の脳の髄鞘染色によるミエリンサイクルの提唱でも明らかである。われわれは本年度研究で、中枢聴覚伝導路は全く音刺激を経験しなくても発達期の脳では中枢聴覚伝導路は遺伝子の指令で髄鞘化か正常児と同様にAge-Lockで完成することを証明すべく研究を行った。人工内耳幼児の術後ABRとVEMPの発達をフォローアップし、可塑性を電気生理学的に調べた。
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Research Products
(23 results)