2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20659269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
不二門 尚 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (50243233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 克昌 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80362664)
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Keywords | ミュラー細胞 / 網膜色素上皮細胞 / 電気刺激 / ラマン散乱 |
Research Abstract |
われわれはこれまでに、電気刺激により、網膜内の神経栄養因子が増加し、網膜神経細胞の神経細胞死が抑制されることを免疫組織化学的に示した。本研究では、ラマン散乱を用いて電気刺激により変化する網膜内の物質代謝を眼底画像として2次元的に検出する可能性を検討した。培養ミュラー細胞に対する電気刺激の検討では、ミュラー細胞において神経栄養因子であるIGF-1が遺伝子レベルでup regulationされることが分かった。また、電気刺激はCa^++の細胞内流入を誘発するが、この反応はL-typeのCaチャンネル阻害剤であるNifedipineで完全に抑制されることから、電気刺激によりL-typeのCaチャンネルが開くことが示唆された。またNifedipine投与により、IGF-1のmRNAの電気刺激による増加が抑制されることから、IGF-1のUp-regulationには、Ca^<++>チャンネルが関係していると考えられた。培養網膜色素上細胞のラマン顕微鏡観察では、細胞内の密度が高い部分では、強いラマンスペクトルが測定され、チトクロムC、CH結合(脂質)のピークが見られた。核の部分ではAmide(タンパク質)のピークがみられた。通常用いられているHeLa細胞と比べると、ラマン散乱光の強度は弱いものの、同様のピークが得られている。強度が弱いのは、HeLa細胞に比べて生体分子の密度が低いためと考えられた。これらの技術を応用すると、電気刺激で動く網膜内の物質代謝を画像として検討できる可能性がある。
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Research Products
(4 results)