2008 Fiscal Year Annual Research Report
外傷歯の歯髄再生療法の基盤となる歯髄細胞の分化誘導法の確立
Project/Area Number |
20659296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 勇人 Niigata University, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓展 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60377190)
大島 邦子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80213693)
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80397132)
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Keywords | オステオポンチン / ネスチン / 象牙芽細胞 / 歯髄 / 歯の移植 / 歯の再植 / 骨芽細胞 / マウス |
Research Abstract |
【目的】今回我々は、マウス臼歯再植実験モデルでの再植後の歯髄治癒パターンと、再植時間、対合歯の有無との相関を検索した。さらにマウス舌下部への歯冠部の他家移植実験を行い、歯髄再生過程におけるマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球マクロファージCSF(GM-CSF)、オステオポンチン(OPN)の発現を検索した。 【方法】3週齢マウス上顎第一臼歯を深麻酔下で抜去後直ちに再植した群、30分、1時間、2時間、3時間生理食塩水中に放置した後に再植した群に分け、さらに対合歯抜去群と未抜去群の2つの群に分け歯髄治癒パターンを検索した。術後1、3、5、7、14日後にブロモデオキシウリジン(BrdU)を腹腔内投与し分裂細胞をラベルし、2時間後にアルデヒド系固定液で灌流固定、EDTA脱灰後、パラフィン切片および凍結切片を作製した。引き続き抗BrdU抗体、抗ネスチン抗体を用いた免疫染色、酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP)染色を施行し光顕で観察した。さらに3週齢臼歯抜去後歯冠部を舌下部へ他家移植した。術後1日〜2週後にアルデヒド系固定液で灌流固定し、EDTA脱灰後、パラフィン切片を作製し、抗ネスチン・抗OPN・抗M-CSF抗体・抗GM-CSF抗体を用いた免疫染色を行った。 【結果および考察】対合歯抜去群では、未抜去群に比べて歯髄内に第三象牙質が形成される割合が増加した。一方、抜去歯を生食中に放置する時間が長くなると、歯髄内に炎症性細胞浸潤、線維性組織置換を起こす割合が増加するが、3時間放置群においても骨組織形成が観察されることがあった。以上より、対合歯による咬合、再植時間の延長が象牙芽細胞系細胞の生存、ひいては歯髄治癒パターンに影響を与えることが示唆された。歯冠部の他家移植実験では、術後に歯髄のネスチン免疫陽性反応が消失したが、既存の象牙質にGM-CSF、OPNが沈着した後にネスチン陽性象牙芽細胞様細胞が歯髄・象牙質界面に再配列した。
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Research Products
(5 results)