2009 Fiscal Year Annual Research Report
抜去歯由来幹細胞による骨、歯髄、象牙質再生療法と発展的細胞治療法、同種移植研究
Project/Area Number |
20659297
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 陽一 Nagoya University, 医学部附属病院, 助教 (20345903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 実 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00151803)
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Keywords | 再生医療 / 幹細胞 / 細胞治療法 / 同種移植 / 歯内療法 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、現在臨床応用されている骨髄由来未分化間葉系幹細胞(BMMSCs)より低侵襲な抜去歯(不要永久歯および乳歯)からの歯髄幹細胞の単離・培養方法の確立、幹細胞供給源としての応用の可能性について検討した。特に、本年度は研究計画に従い、歯槽骨再生、またその同種移植の可能性について、イヌ顎骨再生モデルを用いて研究を行った。対照群として、欠損のみとし、抜歯かのような歯を抜いたままの状況を想定した群に加え、現在臨床応用を行っているBMMSCsによる骨再生群とも比較検討した。さらに、同種移植の可能性については、親子のイヌを用いた。実験では子犬乳歯より歯髄幹細胞(DTSCs)を採取すると同時に、顎骨モデル作製のために抜歯した親犬歯髄(DPSCs)と骨髄幹細胞(BMMSCs)を採取し、培養を行った。抜歯後の1ヶ月の治癒期間後、親イヌ顎骨に自然治癒しないとされる直径10mmの歯槽骨欠損を作製し、親イヌ骨髄由来BMMSCs、DPSCs、子犬DTSCsによる骨再生能について組織学的および組織形態学的に検討を加えた。その結果、移植後4週においても、コントロール群(欠損のみ)では骨形成が得られなかったのに対し、BMMSCs、DPSCs、DTSCs移植群においては骨形成が確認された。また、8週後においても有意に骨形成能に違いが認められたが、細胞間での有意差は認められなかった。このことにより、歯髄幹細胞による骨再生の可能性が示され、さらに子の乳歯歯髄幹細胞を用いて、親の歯槽骨再生が行える可能性、つまり同種移植の可能性も示唆された。このことにより、近い将来、骨系統疾患に対する歯髄幹細胞を用いた骨再生療法の実現性を示すことができた。なお、この成果はTissue engineering(2010 in press)において発表した。来年度はこれらの応用性についても検討を加えていきたい。
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[Journal Article]2010
Author(s)
山田陽一
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Journal Title
実験医学 再生医療の最前線2010 第3章 幹細胞の分化誘導と臨床応用 歯髄幹細胞の再生医療における可能性(羊土社)
Pages: 127-133
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[Journal Article]2009
Author(s)
山田陽一
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Journal Title
口腔と全身疾患, 第7編 歯科医学と生命の結びつき 3)歯科医療の再生(iPS、GTR、エムドゲイン、インプラント、全身疾患への応用)(クインテッセンス出版)
Pages: 188-192
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[Journal Article]2009
Author(s)
山田腸一
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Journal Title
幹細胞の分化誘導と応用 第2編 幹細胞の特性と制御機構および作製技術 4章 体性幹細胞 1)歯髄幹細胞(エヌ・ティー・エス)
Pages: 45-54
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[Journal Article]2009
Author(s)
山田陽一
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Journal Title
幹細胞の分化誘導と応用 第4編 幹細胞の分化誘導と移植技術 3章 再生医療技術 6)乳歯幹細胞を利用した歯の再生医療技術(エヌ・ティー・エス)
Pages: 268-275
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