2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞の増殖分化を促進するリン酸オクタカルシウムコア成長因子徐放デバイス開発
Project/Area Number |
20659304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 治 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80224640)
穴田 貴久 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30398466)
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Keywords | 再生歯学 / リン酸オクタカルシウム / 骨再生 / 徐放 |
Research Abstract |
平成20年度は、リン酸オクタカルシム(OCP)-HA複合デバイスの作製に注力した。OCPをコアとし成長因子を担持させるためのOCP種結晶の合成および、一部成長因子のように骨芽細胞に作用することが知られている亜鉛(Zn)あるいはフッ素(F)のイオンをOCP種結晶に導入することを試みた。まず、OCP上にHAを結晶成長させる加水分解系の確立を行つた。Caおよびリン酸の混合溶液がOCPおよびHAに関し過飽和な条件となる仕込み比にて、湿式合成にてOCPを合成し、回収・水洗あるいは引き続いて、温水中で1hr〜48hr攪拌浸漬して加水分解させた。得られた結晶について走査型電子顕微鏡観察を行い、板状のOCP結晶上にHAの微細結晶が析出することを再確認した。次に、OCP結晶にZnを導入するために、Ca、リン酸、Znの混合溶液から共沈法にてOCP-Znを合成した。その後にOCP-Znを同様に温水中で加水分解してHAをOCP-Zn上に結晶成長させる系を確立した。同様にOCP-Fついても共沈法にて試みた。しかしながら、Fの場合はHAの形成が早すぎることから、共沈法で得られたOCP-Fは、Fの存在により、OCPがHAに転換しがちな傾向を示し, HA最適化に課題を残した。結晶相の同定にはX解回折、FTIR、ICPによる化学分析を用いた。これらの検討から、次年度に向けた検討課題を抽出した。すなわち、OCP-Zn-HA複合デバイスのZn徐放能および骨芽細胞の賦活化能の評価、また、OCPの加水分解速度を調節してFを導入する加水分解方法の開発、それによるOCP粒子種結晶上でのHA結晶育成によるOCP-F-HA複合デバイスの作成である。
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