2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA/人工タンパク質複合体の透明フィルム化と軟組織再生用材料への応用
Project/Area Number |
20659308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
福島 忠男 Fukuoka Dental College, 歯学部, 准教授 (80084250)
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Keywords | DNA / ポリカチオン / 複合体 / 透明フィルム / 細胞毒性 / 細胞接着 / 加温加圧加工 / 生体分解性 |
Research Abstract |
ポリカチオン(ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリリジン、キトサン、プロタミン)とDNAを反応させたところ水不溶性のDNA複合体が得られた。これらの複合体を凍結乾燥したところすべて塊状となり、この破断面をSEMで観察したところすべてポーラス体であった。これら複合体の凍結乾燥物を乳鉢で粉砕すると粉末状態となった。この粉末(粒径:40〜100ミクロン)の細胞毒性をL-929,MC3T3細胞を用い調べたところ、DNA/ポリヒスチジン複合体以外の複合体の細胞毒性は軽微であった。また、複合体粉末を水で練和し、デスクモールドに充填し再度凍結乾燥するとデスク状に加工できた。このデスクをラット皮下に埋入し、組織反応を検討したところ、すべての複合体において初期には軽度の炎症反応が認められたが、その後は炎症も治まり器質化が進行し約10日以内で分解消失した。このデスク状試料をテフロン板に挟み、加温(70℃以内)し加圧(30MPa以内)すると透明フィルムとなり、すべての複合体が透明フィルムになることが明らかとなった。この透明フィルムは水不溶性であり、PBSバッファー中でも安定であった。この透明フィルムをラット皮下に埋入し、組織反応を検討したところ、デスク試料と同様の所見が得られたが、分解速度はやや遅く4週間目の試料の一部カプセル化が起こっていた。また、細胞接着予備試験をL-929で行ったところ透明フィルム上に細胞は接着していたが接着率には明瞭な差異は認められなかった。
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Research Products
(3 results)