2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の血行性転移メカニズムにおけるエピジェネティクス制御の解析
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20659309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
力石 秀実 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (70091767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 麻衣子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (70420049)
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Keywords | 口腔癌 / 血行性転移 / エピジェネティクス / ヒストン脱アセチル化酵素 / DNAメチル化酵素 |
Research Abstract |
口腔癌の根治をめざすうえで癌の転移、再発は最大の障害である。特に、転移は患者の予後を左右する重大なリスクファクターであり、現在のところ口腔癌の転移を抑制する有効な治療法が確立していない。本研究では、近年、新たに血管新生抑制効果が報告されているエピジェネティクス制御剤を用いて、従来の化学療法では対応できなかった口腔癌の血管新生・転移の抑制をめざす。さらに、エピジェネティクス制御剤と抗癌剤の併用が口腔癌の血管新生に及ぼす影響を解析し、口腔癌の血管新生の抑制と血行性転移の予防に効果的な化学療法の開発を目的とし、以下の研究に取り組んだ。 口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-2, -3, -4)と舌癌由来細胞株(SAS)を用いて、エピジェネティクス制御剤としてヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC阻害剤 ; NVP-LAQ824, NaB, SAHA, MS-275)とDNAメチル化酵素阻害剤(DNMT阻害剤 ; Decitabine, Azacitidine, Zebularine)のそれぞれを各種抗癌剤(シスプラチン、カルボプラチン、5-FU、パクリタキセル、ドセタキセル)と併用し、癌細胞に対する殺細胞効果の検討と、VEGF, bFGF, などの血管新生因子の産生抑制をELISA, ウエスタンブロット法で解析を行った。この実験により、HDAC阻害剤またはDNMT阻害剤存在下による抗腫瘍効果の増強が観察され、さらに併用効果が得られる至適条件(各種薬剤濃度、組み合わせ、投与時間)が決定された。また、エピジェネティクス制御剤と抗癌剤を作用させたときの血管新生・転移関連遺伝子のアセチル化、メチル化を定量・解析した結果、VEGF-A遺伝子が今後の研究に重要であることが確認された。
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Research Products
(2 results)