2008 Fiscal Year Annual Research Report
口臭抑制効果を目的とした機能性食品の開発に関する研究
Project/Area Number |
20659328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永田 英樹 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50260641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雫石 聰 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00028789)
前田 和彦 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00346165)
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Keywords | 口臭 / 機能性食品 / 植物成分 |
Research Abstract |
歯周病細菌を中心とした口腔細菌により産生される揮発性硫化物は口臭の主要な原因物質と考えられている。本研究では、まず、ユーカリ葉から抽出した成分が種々の口腔細菌の生育に及ぼす影響について検討した。その結果、ユーカリ葉抽出物は100μg/mlの濃度でStreptococcus oralis、 Actinomyces naeslundiiなどの早期定着菌やPorphyromonas gingivalis、 Prevotella intermediaなどの歯周病細菌の増殖をほぼ完全に抑制した。次に、唾液で被覆したプレート上へのバイオフィルム形成に及ぼすユーカリ葉抽出物の影響を共焦点レーザー顕微鏡により調べた結果、ユーカリ葉抽出物はP.gingivalisやA.naeslundiiなどのバイオフィルム形成を濃度依存的に阻害することが示された。さらに、ユーカリ葉抽出物は、P.gingivalisの産生するタンパク質分解酵素活性を阻害することも明らかとなった。次に、ユーカリ抽出物配合チューインガムを用いて無作為化比較対照試験を行った結果、ユーカリ抽出物配合チューインガム摂取群はプラセボガム摂取群と比較して、種々の歯周病に関する臨床指標を有意に改善したことから、ユーカリ抽出物は歯垢形成を抑制することにより歯肉の炎症を改善する可能性が示唆された。また、ユーカリ抽出物を長期間摂取しても、過剰量摂取しても、口腔内や全身状態において重篤な副作用はみられなかったことから、ユーカリ抽出物の安全性が確認された。現在、ユーカリ抽出物配合チューインガムを用いた無作為化比較対照試験において、官能試験、ガスクロマトグラフィー検査、舌苔量などの口臭に関する検査を行っており、口臭抑制を目的とした機能性食品としてユーカリ葉抽出物を応用する可能性について検討している。
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