2008 Fiscal Year Annual Research Report
触・圧刺激を利用した新式テープ材の鎮痛効果の検討-疼痛ケアへの応用を目指して
Project/Area Number |
20659334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
深井 喜代子 Okayama University, 大学院・保健学研究科, 教授 (70104809)
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Keywords | 新しい鎮痛材 / 皮膚の触・圧刺激 / 実験痛 / 臨床痛 / 代替療法 / 鎮痛効果 / 鎮痛メカニズム |
Research Abstract |
1.健康者における鎮痛効果の検討 ビーズテープ材の鎮痛メカニズムを検討するために,(1)テープのみとビーズテープ,(2)ビーズとガラス球,(3)ビーズ分布密度の大小,(4)ビーズテープの貼付面積,それぞれが比較できる実験系で,まず初年度は,ニプロの知覚・痛覚定量分析装置を用いて健康者の痛覚閾値を検討した(痛覚定量分析装置を用いて痛覚・触覚を定量したことは新しい試みである)。その結果,5mm間隔のビーズテープ貼付時,10mm間隔のビーズテープ貼付時,ガラス球テープ貼付時に痛覚閾値の平均値が上昇していた。小さなサンプルサイズのため危険率5%未満の有意差を得るには至らなかったが,最も鎮痛効果が大きい傾向がみられたのはガラス球テープで,痛覚閾値は10%以上上昇していた。また,実験中,皮膚温や心拍数はほとんど変化しなかった。これらの結果から,ビーズやガラス球を用いたテープ式鎮痛剤が中等度の痛みだけでなく,閾値レベルの痛みにも鎮痛効果をもたらす可能性のあることが示された。すなわち,ビーズ又はガラス球による皮膚の触・圧覚刺激が痛覚の上行性経路を抑制したことが推察された。また,テープのみ,ビーズ,ガラス球の順に鎮痛効果が高かったことから,ビーズテープ材の鎮痛効果は皮膚のより有効な触・圧刺激が原因する可能性も示唆された。 この成果は日本看護技術学会第7回学術集会(2009年9月,青森市)で発表した。 2.痛みのある患者における鎮痛効果の検討 痛みをもつ人を対象に,ビーズテープの長期的な効果を5種類の痔痛評価ツールにより検討した。今年度は約100例のデータが集積できた。その成果を平成21年度開催の学会で発表する予定である。
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