2008 Fiscal Year Annual Research Report
「瓦礫の下」医療・救助における安心安楽の必要性に関する基礎研究
Project/Area Number |
20659340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大山 太 Takasaki University of Health and Welfare, 看護学部, 講師 (30398531)
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Keywords | 救助 / 災害 / USAR / CSM / 安心 |
Research Abstract |
本年度は兵庫県の消防訓練施設に設置されている災害現場の「瓦礫」を再現した「瓦礫の下」訓練施設を利用し基礎的な実験を行った。この実験では、瓦礫の下という劣悪な環境下においていかにノイズの少ない心電図を記録し、それと同時に被験者がどのような状態であったかを記録することを主眼に置いて実施した。現実の災害救助現場を想定し、音響や救助環境を再現した救助訓練実施にあわせて、そこでの要救助者および救助者役の被験者それぞれの心電図を小型心電計用いて測定した。これらの方法で測定した心電図データより心電図RR間隔の周波数解析を行い、被験者の神経活動変化を観察することができた。これら心電図の解析とともに、一緒に記録した動画像を分析することで、瓦礫の下に閉じ込められた要救助者や救助者役の被験者がその時にどのような状況であったかを観察、心電図より測定された交感・副交感神経の活動変化がどのような状況で生じていたかを知ることができた。今回は、1名の要救助者役の被験者において、救助者が接触するまでは交感神経が緊張していた状態が続いていたが、救助者の声かけにより一時的に副交感神経が優位に変化する様子を観察した。本実験では被験者数が少ないため断定的な結果は得るには至らなかったが、これらの手法を用い症例を重ねることで、瓦礫の下という特殊な環境下での人間の精神活動変化を観察するための方法として利用可能であることが示唆された。これらは、瓦礫の下の人にとってどのようなアプローチをしたら「安心安楽」を提供できるかを知る手がかかりになるであろう。
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Research Products
(1 results)