2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎患者のセルフマネジメントを促す心理教育的グループ介入プログラムの開発
Project/Area Number |
20659346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 久美 Hyogo University of Health Sciences, 看護学部, 教授 (60226503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 禮子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (90132240)
松本 麻里 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (30295109)
佐藤 真由美 兵庫医療大学, 看護学部, 助手 (40375936)
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Keywords | C型慢性肝炎 / セルフマネジメント / 心理教育的介入 / サポートグループ |
Research Abstract |
【目的】C型慢性肝炎患者のセルフマネジメントを促す心理教育的グループ介入プログラムの内容を検討するために、インターフェロン療法(INF)を受けている患者の身体・精神的症状及びQOLに関する国内外のエビデンスを明らかにした。【方法】海外文献は、Pub MedとCINAHLを「hepatitis C」「interferon and ribavirin」「self care」OR「self management」「coping」「QOL」で検索し、治療中の患者の身体・精神的症状やQOLが主題で、英語の研究論文または文献レビューを条件とし抽出した。国内文献は、1983〜2008年の医学中央雑誌を「肝炎-C型」「自己管理」「心理的適応」「生活の質」などで検索し、C型肝炎が主題で患者のQOLや体験、援助に関する論文を抽出した。【結果】42文献を分析対象とした。INFを受けている患者の身体・精神的症状は、発熱や頭痛、消化器症状などが多く、INF-リバビリン併用では倦怠感が患者の44〜77%、貧血が15〜57%に認めた。さらにINF単独に比べて、倦怠感と貧血は有意に増加し、倦怠感の重症化も有意であった。精神症状の出現頻度は20〜60%であった。治療中のQOLは、有意に低下しており、特に「活力」「身体機能」「全体的健康感」「日常役割機能(精神)」は有意に低下したという報告が多かった。QOL低下に関連する要因として、貧血の出現、高血圧や糖尿病など治療を要する共存症の有無・数、INF投与量、高年齢、抑うつの既往の有無、経済的ストレスなどがあげられた。【結論】INFを受けている患者は倦怠感、貧血、抑うつなどの身体・精神的症状、活動の困難、役割の制限があった。治療を継続する患者が安定した生活を送るには、抑うつ、貧血、共存症のスクリーニング及びモニタリングが必要であると同時に、早期からの副作用症状のマネジメントや長期療養に伴うストレスへの積極的介入の重要性が明らかになった。
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