2009 Fiscal Year Annual Research Report
個人・集団・地域を対象とした保健指導ソリューションの開発
Project/Area Number |
20659358
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村嶋 幸代 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60123204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 智子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80323616)
有本 梓 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90451765)
田口 敦子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70359636)
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Keywords | 保健師 / 保健指導 / システマティックレビュー / ソリューション |
Research Abstract |
本研究は、平21年に実施したシステマティックレビューから、結核対策における保健指導をテーマに選定し、(1)結核患者の受診の遅れに関連する要因を検討し、(2)結核対策における適切な介入方法を検討することを目的に、実地調査を行った。 1.方法 平成21年1月1日から11月30日までに調査協力保健所17か所に新規登録された20歳以上の結核患者のうち、自覚症状を有し、医療機関受診によって発見された者を対象に構造化面接調査を実施した。 2.結果 調査に協力が得られた65名のうち、選定基準に合う63名を分析対象にした。対象者の平均年齢は62.2±19.2歳であった。受診の遅れがあった者は60歳未満で22名(34.9%であった。60歳未満では、「市販薬を使用した」「どこへ受診したらいいかわからなかった」者に受診が遅れる傾向がみられた。60歳以上では「かかりつけ医がいない」「既往歴がない」「保険行動の優先性が低い」者、「痰」「血痰」「食欲低下」症状を有する者、「対処行動をとらない」「人に相談しない」者が有意に遅れやすく、「喫煙者」「結核に罹る可能性を感じていた」 「咳」症状を有する者、「病院嫌い」の者に遅れる傾向がみられた。 3.結論 結核患者の受診の遅れに関連する要因は、60歳以上、60歳未満で違いがあることが明らかになった。60歳未満では市販薬の胆用や知識不足による受診の遅れが明らかになったため、地域の薬局等で、受診するタイミングや場所について情報提供を行えるように保健指導を行っていくこと、60歳以上では高齢結核特有の症状等に関する情報提供や、症状について相談できる環境づくりを行うなど、対象の特性に応じた予防介入を行う必要のあることが示唆された。
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