2011 Fiscal Year Annual Research Report
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20670003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白根 道子 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (90398082)
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Keywords | 神経細胞 / シナプス / 神経疾患 / 小胞輸送 / Rab11 / Protrudin |
Research Abstract |
本研究では、神経発生、神経機能調節における小胞輸送システムの関与およびその分子機構を明らかにすることを目的としている。特に神経細胞の分化、移動、構築、機能制御に焦点を当て、膜シャペロンタンパク質FKBP38と膜輸送制御タンパク質protrudinの複合体、即ち"FKBP38-protrudin複合体"による制御機構を解明している。そして、それらの機構のヒトの二分脊椎などの神経形成不全や遺伝性痙性対麻痺などの神経疾患の病因への関与を解明し、さらに治療への応用を目指している。 今年度は、protrudinのFYVEドメインの結合脂質として新たにPI(5)Pを同定した。そして、PI(5)PとRab11による神経細胞樹状突起スパインでの機能連関を調べた。その結果、 (1)Long-term potelltiation (LTP)シグナル依存的に働くPKCにより、protrudinによるPI(5)P制御作用が増強されることがわかった。その際、FYVEドメインの樹状突起スパインへの局在が強くなることを見いだした。 (2)さらに、protrudinの結合タンパク質として、PI(5)P合成酵素であるTMEM55を同定した。 (3)また、protrudinの結合タンパク質として同定したK上IF5との機能関連を明らかにした。 (4)一方、FIKP38が、ミトコンドリアオートファジー(マイトファジー)の際にミトコンドリアから小胞体にエスケープすること、その分子機構として、膜貫通領域の塩基性アミノ酸の数が重要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小胞輸送制御タンパク質protrudinのノックアウトマウスを作製・解析することにより、リサイクリングエンドソーム輸送の神経機能における役割の一部を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本来の目的を達成するためには、protrudinの機能解析のみでは分からない現象が出てきたため、その結合分子であるTMEM55などの解析をさらに深める必要性が生じてきた。
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