2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規AMPA受容体制御因子群によるシナプス機能制御の解明
Project/Area Number |
20670005
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
深田 正紀 生理学研究所, 細胞器官研究系, 教授 (00335027)
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Keywords | 神経科学 / AMPA受容体 / グルタミン酸受容体 / シナプス / パルミトイル化修飾 / てんかん / シナプス伝達修飾分子 / リガンド/受容体 |
Research Abstract |
シナプス間の情報伝達効率は使用状況によって柔軟に変化し、記憶や学習など脳高次機能の分子基盤を成す。この機構の破綻はてんかん等の神経疾患の重要な一因と考えられている。AMPA型グルタミン酸受容体(AMPA受容体)は脳内の興奮性神経伝達の大部分を司るので、AMPA受容体の輸送機構は現在の神経科学における極めて重要な命題である。本研究ではこの命題に対し、独自の生化学的手法により同定した1)パルミトイル化脂質修飾酵素および2)てんかん関連リガンドLGI1に着目して、AMPA受容体制御機構の全容を明らかにすることを目的としている。 1)AMPA受容体の発現量はシナプスに存在する足場蛋白質PSD-95(パルミトイル化PSD-95)の量に依存する。今年度はパルミトイル化PSD-95を特異的に認識するプローブを開発し、内在性パルミトイル化PSD-95の動態を可視化することに成功した(Fukata Y et al,投稿中)。これは脂質修飾を受けた蛋白質を特異的に認識する抗体を得たという点でも画期的だと言える。 2)一方、私どもは前年度に引き続きLGI1のノックアウトマウスの性状解析を行い、LGI1ノックアウトマウスにおけるAMPA受容体機能異常および、海馬組織における局在異常を見出した(Yokoi N et al,投稿準備中)。さらに、てんかんの焦点を明らかにするために脳の領域特異的な機能回復実験を進めている。このように今年度の研究計画は達成できたと考えている。
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Research Products
(15 results)