2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユダヤ教の人間観-マイノリティに関するテキストのデータベース化と現代社会への提言
Project/Area Number |
20672001
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝又 直也 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (10378820)
|
Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
|
Keywords | ユダヤ学 / ユダヤ教 |
Research Abstract |
最終年度である本年度の中心作業の2大骨子は、1)データベースの構築・完成、2)それを元にした考察、成果発表である。 1)のうち、ラビ・ユダヤ教文献のデータ入力は、ミシュナ、ミドラシュ、タルムード等については、ほぼ完成した。ただし、ウェブ上のデータベースにはシステム改良の必要があったので、とりあえずエクセルやワードの形でデータを蓄積した。近いうちに、データベースシステムの改良が図る予定であり、一括してデータを移すことが可能である。特に、子ども、女性、家族関係の用語についてのデータが充実した。中世のマイモニデスについては、「迷〓〓者への手引き」を中心に、預言者、祭司、についての術語を収集した。また、本年度の特定研究員の主要研究分野である現代ヘブライ文学についてのデータの収集も進み、広くユダヤ教文化を射程入れたデータベースの構築が進んだ。 2)の成果発表については、海外の研究者との強い協力関係のもと、ユダヤ・マイノリティに深く関わる査読付き論文を、ドイツとイスラエルの国際学術誌に計2本掲載した。さらに、イスラエルの出版社から出版されることが決定している著書(計2巻)をついに完成させ、現在印刷中である。また、本研究の研究協力者は、ユダヤ教における様々な文献での「預言者」「祭司」観について考察した論文を掲載するなど、本プロジェクトの成果を多方面で発表している。 平成24年度をもって本研究は助成課題として一先ず終了するが、私自身の研究課題としてはこれを継続していくつもりである。データベースに関しては、技術的な解決が見出され次第、随時補完して、早期に一般に公開するつもりである。同時に、このデータベースを十分に活用したうえで、ユダヤ教の人間観に関して、本プロジェクトの成果を総括するような著書の執筆も現在続けているところであり、こちらも早期の出版を目指す。
|