2011 Fiscal Year Annual Research Report
加速器ニュートリノビームを用いたニュートリノ混合の究明
Project/Area Number |
20674004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中家 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50314175)
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Keywords | 素粒子(実験) / ニュートリノ / 加速器 / ニュートリノ質量 / ニュートリノ振動 / 光子検出器 / ニュートリノビーム |
Research Abstract |
SciBooNEはこれまで集めた2×10^<20>陽子/標的のニュートリノビームデータを解析し、短基線ニュートリノ振動の研究を行った。T2K実験は、これまで取った全データを解析しニュートリノ振動による電子ニュートリノ出現の兆候を捕らえることに成功した。そして、東日本大震災で影響を受けた実験施設の復旧に尽力し、実験を再開することに成功した。 【1】SciBooNE実験で、荷電カレント反応を使って、ニュートリノ反応率とニュートリノビームスペクトルの測定を行った。このSciBooNE実験の測定と、後方に設置されたMiniBooNE測定器を使ってΔm^2~1eV^2領域でのニュートリノ振動を探索し、ミューオンニュートリノ消滅モードはないという結果を発表した。また、ニュートリノビーム中の電子ニュートリノ成分の主成分であるK中間子起源のニュートリノ事象の解析も併せて進め、ニュートリノビームの理解を深めた。 【2】T2Kではこれまで得られた1.5×10^<20>陽子/標的のニュートリノビームデータを解析し、ニュートリノ振動による電子ニュートリノ出現の兆候を捕らた。詳細は、 (1)ニュートリノ振動解析を行い、新しい物理結果を平成23年度6月に発表し、その後2本の論文としてまとめた。 (2)東関東大震災で損傷を受けた実験装置(大半はこの科研費と関係のないKEK/J-PARCの施設関連機器)を復旧させ、早期にニュートリノビームデータの収集を再開した。現在ビームは復活し、震災後190kWというビーム強度でデータ収集を継続中である。 (3)T2K実験の感度向上のために設置したニュートリノビーム中心でエネルギーを測る測定器と非軸方向でニュートリノビームプロファイルを測定する測定器のデータを解析し、T2Kビームの理解を深めた。 (4)前置測定器でのニュートリノ反応測定の主系統誤差の一つとなる荷電粒子反応確率の測定をカナダ,TRIUMF研究所のビームラインで行った(PIANO実験)。PIANO実験のデータ解析を進め、その途中結果を発表した。
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Research Products
(5 results)