2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20674005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 剛 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80323525)
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Keywords | 電気磁気効果 / マルチフェロイクス / 磁気誘電効果 / 六方晶フェライト / 四極子秩序 |
Research Abstract |
1.マルチフェロイクスにおいては,磁場による電気分極の誘起といった電気磁気効果や磁場による誘電率の変化といった磁気容量効果などの磁性と誘電性の相関現象が観測されるが,いくつかのrare-earth zirconにおいてもヤーン-テラー転移に伴う誘電異常,さらにはヤーン-テラー転移の磁場効果に関連した顕著な磁気容量効果)が観測されるといった結果が過去に報へ告されている.このようにDyVO_4における強四極子秩序やヤーン-テラー転移およびそれに関連する誘電異常などは古くから研究されてきたが,詳細な議論には秩序変数を直接観測する必要があるにもかかわらず,そのような実験はこれまでほとんど行われていない.そこで最近我々は磁場中放射光X線回折実験を行い,DyVO_4の低温及磁場下での構造変化の様子を詳細に調べ,強四極子秩序に誘起される反強誘電的な歪みの存在を明らかにした 2.これまで報告されている多くのマルチフェロイクス材料においては,室温よりはるかに低い温度でしか電気磁気効果が観測されていない.さらに,これらの材料における電気磁気効果発現のためには,数万ガウスという非常に強い磁場を必要としていた.これらの理由のため,これまで電磁気効果を応用した実用的な各種デバイス,メモリ等を構成することが困難であった.本研究によって,「Z型六方晶フェライト」と呼ばれるストロシチウム,コバルト,鉄及び酸素からなる酸化物セラミックス(化学式Sr_3Co_2Fe_<24>O_<41>)が,室温領域かつ数百ガウスという弱い磁場の印加で顕著な電気磁気効果を示すことが明らかとなった.本成果によって,室温において弱磁場で動作する電気磁気効果が実現され,同効果を利用したメモリ素子などの電子デバイスへの応用に向けた研究・開発が加速することが期待される
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Research Products
(42 results)