2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20674005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 剛 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80323525)
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Keywords | 電気磁気効果 / マルチフェロイクス / ドメイン構造 / 希土類金属Mn酸化物 |
Research Abstract |
本研究では、これまで長年、個々に独立の固体物性として研究されてきた「磁性」と「誘電性」を一つの土俵に上げ、両者の相関によって生み出される従来にない物理現象の発見と現象の解明を主たる研究課題としている。具体的には、1.「両者の相関が強く働く新しい物質系の発見」、2.「両者の相関により生み出される新しい物理現象の発見」、3.「両者の相関を利用した諸物性測定の新しいアプローチ法の確立」、さらに4.「観測される相関現象の解明」を目指したものである。 上記目的達成のための物質設計・探索、試料合成・結晶構造評価、磁性、誘電特性、構造物性測定、国内外との共同研究、電場による磁性制御のための測定系の構築を引き続き行ってきた。特に下記の項目について重点的に研究を進めた。[1]平成22年度の研究成果で、フェリ磁性体SmMnO3における磁化反転に伴う誘電異常現象を発見した。平成23年度は、この誘電異常現象の起源の解明のため、軟X線磁気円二色性測定を高輝度光科学研究センター(SPring-8)にて行い、SmおよびMn各モーメントの印加磁場に対する配置を元素選択的に解明した。[2]平成22年度の研究により発見したZ型六方晶フェライトにおける室温電気磁気機能をさらに進め、類似のU型六方晶フェライトにおいても同様の室温電気磁気機能が発現することを発見した。[3]磁気共鳴X線回折の手法を用い、電気磁気効果を示すY型六方晶フェライトにおけるマルチフェロイックドメイン構造の観測に成功した。
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Research Products
(45 results)