Research Abstract |
本研究では,耐熱性,耐久性,加工性に優れ,希少元素であるPtフリーの新しいガラス成形金型材料の探索と,その精密微細加工(ナノ加工)を目的としている.当該研究期間内には,以下の項目について研究した. (1) ガラス成形金型に適したPtフリーの新しいアモルファス合金の探索 (1)予備評価用薄膜ライブラリの製作 これまでの研究成果を元に,Ptフリーでもガラス成形に耐えられる耐熱性,機械的強度,耐ガラス融着性,耐高温酸化性を有する可能性のある合金系(Mo系,Ru系,Ni系,Cu系など)を,コンビナトリアルアークプラズマ蒸着(CAPD)により成膜し,予備評価用薄膜ライブラリを製作した.この予備評価用薄膜ライブラリをIP-XRD,μ-EDXで相,組成を測定し,アモルファス合金となる領域を特定した. (2)切削性・Tx評価用薄膜ライブラリの製作 導入した基板回転式NFTS成膜装置を用いて,上記予備評価により絞り込まれた候補合金系の切削性・Tx評価用薄膜ライブラリを製作した. (2) コンビナトリアル結晶化開始温度(Tx)測定法の開発 (1)測定精度の確認とその向上 結晶化に伴う放射率変化を利用したTxの測定において,基板や周辺からの赤外線放射の影響を明らかとし,より高精度なTxの測定可能な,新しい薄膜ライブラリを実現した. (2)コンビナトリアルTx測定の実現 測定精度を確認・向上させた放射率変化を利用したTx測定方法を利用して,前述の評価用薄膜ライブラリを真空加熱炉(購入予定設備)で加熱しながら,赤外線サーモグラフィにより,その温度を測定することで,組成およびTxの異なる多数のサンプルを一度に測定する方法を実現した.
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