2012 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス成形金型用Ptフリーアモルファス合金のコンビナトリアル探索とそのナノ加工
Project/Area Number |
20676002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
秦 誠一 東京工業大学, 精密工学研究所, 客員教授 (50293056)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 金型 / ガラス成形 / アモルファス合金 / コンビナトリアル探索 / ナノ加工 / 結晶化開始温度 / Ptフリー |
Research Abstract |
本研究では,耐熱性,耐久性,加工性に優れ,希少元素であるPtフリーの新しいガラス成形金型材料の探索と,その精密微細加工を目的としている.本年度は,以下の成果を得た. 1)ガラス成形金型に適したPtフリーの新しいアモルファス合金の切削性・機械特性の向上 微細切削性の優れたPtフリーの新しいガラス成形金型材料の探索法として,基板上に放射状に組成の変化する組成傾斜薄膜を十字型のメタルマスクを用いてパターン成膜し,マスクを回転させ,さらに異なる組成範囲の組成傾斜膜を成膜する方法により,これまでの単一の組成傾斜膜を成膜した場合より広い組成範囲で切削性の評価が可能なコンビナトリアル切削性評価法を実現した.この方法によりダイヤモンドバイトによる精密切削性を評価した結果,Ra 5nm以下の切削性を有する新組成Ni_51Nb_<33>Ti_<16>を見出すことに成功した.Ni_<51>Nb_<33>Ti_<16>は,Ni_<35>Nb_<40>Zr_<25>と同等のガラス成形性,熱的安定性,耐酸化性を有し,成膜時に冷却しながら成膜すると切削性が向上することが確認された. (2)Ptフリーの新しいアモルファス合金のナノ成形によるクローン金型の実現 Ni_<51>Nb_<33>Ti_<16>を用いて,Ni_<35>Nb_<40>Zr_<25>をナノ成形することを試みた.Ni_<51>Nb_<33>Ti_<16>を微細切削加工によりマスタ金型として,ブランク材上のNi_<35>Nb_<40>Zr_<25>に923K,20MPaにて成形加工を行うことにより,マスタ金型としたNi_<35>Nb_<40>Zr_<25>上の形状をNi_<35>Nb_<40>Zr_<25>に転写することに成功した.さらに成形したNi_<35>Nb_<40>Zr_<25>を金型としてガラス成形にも成功し,当初目的としたPtフリーアモルファス合金のクローン金型によりガラス成形を行うことにほぼ成功した.今後は,Ni_<35>Nb_<40>Zr_<25>の成形性をより向上させるため,クローン金型の成形条件などを検討する.(795字)
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Research Products
(17 results)