2012 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧プラズマによるプラスチック上薄膜デバイスの高能率作製技術の開発
Project/Area Number |
20676003
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
垣内 弘章 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10233660)
|
Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
|
Keywords | 大気圧プラズマ / 低温・高速成膜 / 微結晶シリコン / 酸化シリコン / 窒化シリコン / 薄膜トランジスタ / 太陽電池 / プラスチックフィルム |
Research Abstract |
前年度までの結果に基づき,開発した電極システムによって発生させた大気圧VHFプラズマにより高速形成したSi薄膜をチャネル層としたTFTの成膜温度の低温化について,重点的に検討を進めた.また,Si成膜と同様の電極システムを用いて常温で高速形成したSiO_x薄膜をゲート絶縁膜としたガラス基板上およびポリマー基板上へのTFTの試作についても検討を行った. まず,熱酸化膜付きSiウエハを基板として用い(Siの熱酸化膜をゲート絶縁膜として利用),チャネルSi(a-Si)成膜時の基板温度パラメータとした場合のTFTの特性を評価した.その結果,試作した全てのTFTが正常に動作することが確認された.成膜条件を変えずに基板温度を単に低温化(220→120℃)させた場合だけではTFT特性は大幅に低下したが,原料SiH_4ガスの水素希釈比(H_2/SiH_4比)の増加とそれに伴う投入電力の増加により,基板温度120℃においても220℃の場合と同等の電界効果移動度が得られることが確認された. 次に,上の結果を受けて,基板温度120℃でのガラス基板(Coming EAGLE XG, 厚さ0.7mm)上へのTFT試作について検討した.原料ガスとしてHMDSO/O_2を使用して常温で高速形成したSiO_xゲート絶縁膜の上にa-Siを成膜したTFTの性能評価を行ったところ,1.4~2.1cm^2/Vsの電界効果移動度が得られることが確認された. 最後に,ポリマー基板(ポリエチレンナフタレート:PEN)上へのTFT試作検討を行った.PEN材料の耐熱性,およびゲート電極(アルミニウム蒸着)とPEN基板の熱特性に違いの問題から,ガラス基板の場合と同じ電力条件を用いることができなかったが,a-Si成膜時のH_2/SiH_4比の最適化等によって正常に動作するTFTの作製に成功した(基板温度:100℃)
|
Research Products
(16 results)