2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高温化学反応場を用いた高品質窒化アルミニウム結晶の作製-極性と成長機構
Project/Area Number |
20676007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福山 博之 Tohoku University, 多元物質化学研究所, 教授 (40252259)
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Keywords | 窒化アルミニウム / サファイア窒化法 / 反応性スパッター法 / 紫外発光素子 / 結晶成長 / 熱分解輸送法 |
Research Abstract |
窒化アルミニウム(AIN)は, 6.2eVと広いバンドギャップを有し, また, GaNやAIGaNと格子定数や熱膨張係数が近いため, 深紫外発光素子として期待されるAIGaN系LEDの理想的な基板材料として注目されている. AINは高温で安定でかつ音速が速いため, SAWデバイスやハイパワー電子デバイスとしても期待される材料である. このように, 高品質単結AINの結晶成長は, 工学上重要な研究課題である本研究では, 以下の2つの研究を行った. (1) 熱分解輸送法による単結晶AINの開発 AlN-Al_2O_3-N_2-CO-C系熱力学的相安定図に基づき, Al含有ガス成分の組成と分圧を制御した新たな熱分解輸送法を開発し, バルクAIN単結晶の開発を試みた. この方法により, 高品質な針状の単結晶AINを得ることができた. (2) 反応性スパッター法によるAIN厚膜の成長 サファイア膣下方によって得られた高品質AIN薄膜をテンプレートにして, 反応性スパッター法によって厚膜AINの成長を試みた. a面サファイアを窒化して得られたc軸配向AIN薄膜をテンプレートにして, 高周波スパッター法によってAIN膜を成長させた. ターゲット材料はAl(99.999%, 直径10cm)を用いた. 界面の高分解能電子顕微鏡像(HRTEM像)から, 窒化AIN膜は5-10nmの高品質結晶であり, スパッター法により成長したAIN膜は, 界面近傍では多結晶を呈しており, 厚くなるにつれて柱状組織となるこ1とが分かった. 本研究によって, 高品質窒化AIN膜をテンプレートにすると, 300℃という低温のスパッター法でも高品質なc軸配向AIN厚膜を得ることができることが分かった.
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