2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高温化学反応場を用いた高品質窒化アルミニウム結晶の作製-極性と成長機構
Project/Area Number |
20676007
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福山 博之 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40252259)
|
Keywords | 窒化アルミニウム / サファイア窒化法 / 反応性スパッター法 / 紫外発光素子 / 結晶成長 / 熱分解輸送法 |
Research Abstract |
次世代の紫外発光素子の発光効率を飛躍的に改善する基板材料として単結晶窒化アルミニウム(AlN)が注目されている.本研究では,昨年度から継続して,サファイア窒化法によって得られるAlN薄膜をテンプレートにして,(1)AlN厚膜結晶の作製を以下の3つの結晶成長法:(1)Ga-Alフラックスを用いた液相成長法,(2)反応性スパッタ法,(3)パルス励起堆積(PLD)法によって行った.1573KにおいてGa-Alフラックスを用いた液相成長法により5hで膜厚1μmを超えるAlN膜を得ることに成功した.Ga-40mol%Alのフラックス中で成長させたAlN膜では,X線ロッキングカーブの半値幅は(0002)面について51arcsec,(10-12)面について640arcsecとなり,窒化基板の品質を受け継いだ配向性の高さを確認した.反応性スパッタ法によりN_2-Ar混合ガス中でAlターゲットを用いて窒化サファイア基板上にAlN膜を作製した.基板温度823K,窒素流量比50vol%N_2,スパッタ電力700,800Wでは,c軸配向したAlN膜が得られた.窒化サファイア基板上へPLD法を用いてAlN結晶成長を試みた結果,1173Kにおいて約300nm成長し,基板の結晶性を引き継いだ高品質なAlN薄膜であることが分かった.また,(2)アルミナを原料に用いた炭素熱還元析出法による無歪のバルクAlN単結晶の作製を行った.さらに,(3)高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)による界面観察や転位密度の評価,収束電子回折法(CBED)によるAlN結晶の極性判定を行った.
|