2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20676008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早稲田 卓爾 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30376488)
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Keywords | 巨大波発生要因 / 大気・海流・波浪相互作用 / 黒潮続流 / 浮体動揺特性 / GPS波浪観測 / 波浪統計 / 海難事故 |
Research Abstract |
本研究の目的は、外洋で風の場と波浪を同時に測定し、異常波発生の前兆となる環境要因の変動特性を特定することである。 そのために以下を実施する: i)外洋における巨大波浪観測システムを開発し、その有効性を検証する ii)観測により得られる、巨大波発生時の時系列データの解析をする iii)定点観測点周辺における短期集中観測を行い、各種環境要因の分布と、その変動の現場観測データについて、数値シミュレーションモデル計算結果及び衛星データ解析結果とを比較する 平成22年度(繰り越し含む)の研究成果を以下に記す。 1)大型観測ブイ設置型GPS波浪計測システムおよび、漂流式GPS波浪ブイを製造した 2)H23・2月23日に海洋研究開発機構の定点観測ブイ(K-Triton、東経146度北緯38度JKEOサイト)に大型観測ブイ設置型GPS波浪計測システム設置し、また、平成21年度に製造した漂流式GPS波浪ブイを投入した。しかしながら、漂流式GPS波浪ブイは、転覆と思われる原因で3月3日より通信を絶った。また、K-TRITON設置波浪計は、3月3日より通信を絶った。その後、H23.10月に、K-TRITONブイの一時点検の際に、K-TRITON設置波浪計は電源スイッチへの浸水により電源喪失が原因であることが判明した。 3)ブイ転覆の原因は、砕波または非常に非線形性の強い波との遭遇による、強い流体力の影響が疑われる。そこで、漂流式ブイ模型による転覆実験を行い、低い確率ではあるが、転覆しうることを示した。また、新たに整備した小型風洞水槽の造波装置を用いた可視化実験により、流体粒子速度が、砕波に至らなくても、弱い非線形効果以上に加速するこがわかった。 2)H21年4月以降運用している、日本近海波浪予測モデル(太平洋全域低解像度モデル(1度格子)からネスティングにより、解像度(1/4度格子)、さらに1/16度の高解像度化)を用いて、海難事故解析を行った。その結果、複数の事故時に、波浪の方向スペクトルの狭帯化の傾向がみられ、これまでの研究から導かれた、フリークウェーブ発生の仮説と整合性ある結論が得られた
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Research Products
(16 results)