2012 Fiscal Year Annual Research Report
“未来の生態系”天然二酸化炭素噴出地を利用した植物の高二酸化炭素適応の研究
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20677001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
彦坂 幸毅 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (10272006)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 地球環境変化 / 進化 / 適応 |
Research Abstract |
複数のCO2噴出地の異なるCO2域においてオオバコ種子を採取し、東北大学実験圃場にて育成した。二年間の競争実験を行い、高CO2域に分布するオオバコは高CO2環境で育成したときに相対的に種子生産が多くなるという結果を得た。このことは高CO2域に分布するオオバコが高CO2環境に適応進化したという仮説を支持する。 これまでに、気孔が小さい、気孔コンダクタンスが低い、光合成速度が低いなど、高CO2域に分布する植物が、通常CO2域に分布する植物とは異なる形質をもつことを明らかにしてきた。この傾向がジェネラルなものかを明らかにするために、CO2噴出地植物について過去の発表論文や我々の既発表・未発表データを統合しメタ解析を行った。この結果、我々が得た傾向の多くは有意で、ジェネラルな傾向であることが明らかとなった。このことは、高CO2が種や場所にかかわらず選択圧となり同様の進化的形質変化を引き起こすことを示唆する。以上の結果を論文にまとめた。 シロイヌナズナのエコタイプについて成長解析を行い、結果をまとめた。さらに成長解析パラメータの遺伝的背景を探るため、遺伝的距離と形質値の差の解析を行い、多くの形質が系統とは独立に進化しているという結果を得た。以上の結果を論文にまとめた。 シロイヌナズナのエコタイプを混植し、高・通常CO2環境にて競争実験を行った。上記成長解析にて得られたエコタイプ形質と競争結果を比較したところ、高CO2環境では根に多くのバイオマスを投資するエコタイプが勝つ傾向が得られた。また、単植で成長した場合と混植した場合ではエコタイプの勝ち負けが異なり、生態系レベルの高CO2応答において競争力を考慮することが重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)