2010 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物の自家不和合性における自己・非自己識別機構の分子基盤
Project/Area Number |
20678001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 正夫 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90240522)
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Keywords | アブラナ科植物 / 自家不和合性 / 花粉-柱頭相互作用 / 細胞内情報伝達 / 自家和合性変異系統 / 遺伝子マッピング / 遺伝子発現 / 分子マーカー |
Research Abstract |
昨年までの研究から、自家和合性のシロイヌナズナにおいても、柱頭側因子SRKが機能している系統(Wei-1)を見いだしていた。花粉側因子SP11の逆位を遺伝子組み換え技術で元に戻して、再導入した結果、自家不和合性になることを見いだし、国際科学雑誌Natureに発表した。この研究は、スイス・チューリッヒ大・清水准教授との共同研究として行った。F2,F3での自家不和合性の安定性のためにプロモーターなどの改変も試みたが、十分な安定性を得ることができず、Wei-1以外の系統の方が有効でないかと判断し、より安定性のある系統の探索を行い、3系統を見いだすことができた。 アブラナの自家和合性系統については、QTL解析を行う前の問題として、用いる和合性系統の和合因子がどの染色体上にあるかを検討した。その結果、第1染色体、第3染色体に和合因子が座乗しており、これらは既存のMLPK,ARC1,THLとは異なる戦力対領域に位置しており、このことはQTL解析が有効であることを示した。さらに、今年度は、これらの系統の柱頭で発現している遺伝子を網羅的に解析するために、LMDと次世代シークエンサーを融合した大量遺伝子発現解析を開始した。柱頭でのLMD解析については、同じアブラナ科のシロイヌナズナの系しか公表されておらず、このプロトコールを改変して、サンプルの固定、包埋、LMDによる切り出し、RNAの調整を試みた。その結果、RNAが次世代シークエンサー解析に利用できるようなサンプルを得ることができた。次年度は、このサンプルを使って、RNA seq解析を行う。これらの研究は、大阪教育大・鈴木准教授、三重大・諏訪部准教授との共同研究として行った。
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Research Products
(104 results)
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[Journal Article] Trans-acting small RNA determines dominance relationships in Brassica self-incompatibility2010
Author(s)
Tarutani, Y., Shiba, H., Iwano, M., Kakizaki, T., Suzuki, G., Watanabe, M., Isogai, A., and Takayama S
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Journal Title
Nature
Volume: 466
Pages: 983-986
DOI
Peer Reviewed
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