2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20678002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷本 啓司 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (90261776)
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Keywords | 遺伝学 / ゲノム / 発現制御 / ゲノム刷り込み / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
Igf2/H19遺伝子座におけるゲノム刷り込み現象は、由来する親の性依存的なH19-ICR配列のDNAメチル化(刷り込みメチル化)により制御される。本研究では、H19-ICRの刷り込みメチル化がいかにして確立・維持されるのかを解明することを目的としている。平成22年度に申請者らは、以下の研究を中心に実施した。 (1)近年、ノンコーディングRNAがクロマチンの修飾状態に影響を与えることが、他の複数の刷り込み遺伝子座において明らかにされてきた。また、H19-ICRに相当する配列を持つRNAがマウスの卵に存在することも報告された。そこでIgf2/H19遺伝子座においてもICRを含む領域が転写され、親の由来を示す標識として機能し、これがアリル特異的なDNAのメチル化に寄与しているとする可能性を考えた。この仮説を検証するために、H19-ICR内の配列を一部欠損したYAC導入マウス(TgM)の作製を行った。 (2)H19-ICRと同程度のCpG配列を有するλ DNA断片にCTCF結合配列を4カ所導入し、YAC TgMの作製を行った。同マウスの解析の結果、体細胞DNAは由来する親の性に関わらず高度にメチル化されていた。このことから、CTCF配列は受精後刷り込みメチル化の「確立」には不十分であることが示された。そこで次に、H19-ICR配列の内部にλ DNA断片を挿入し、YAC TgMの作製を行った。このマウスの解析により、H19-ICRの内部にあることが予想される親の由来を示す標識が、周囲の配列(ここではλ DNA)に働きかけ、これを刷り込みメチル化し得るのかについての検証を行っている。 (3)親の性異存的なDNAメチル化シグナルの本体がH19-ICR (2.9kbp)内のどこに存在するのかを明らかにするために、野性型ICRを断片化し、YAC TgMの作製をおこなっている。今後、生殖細胞・体細胞にてメチル化解析を行う予定である。
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[Journal Article] A nuclear receptor, hepatocyte nuclear factor 4, differently contributes to the human and mouseangiotensinogen promoter activities2010
Author(s)
Oishi, T., Date, S., Shimamoto, Y., Saito, T., Hirota, K., Sugaya, T., Kon, Y., Fukamizu, A., Tanimoto, K.
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Journal Title
J.Receptors and Signal Transduction.
Volume: 30
Pages: 484-492
Peer Reviewed
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