2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20678002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷本 啓司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90261776)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝学 / ゲノム / 発現制御 / ゲノム刷り込み / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
由来する親の起源を示す「印』がゲノムに記憶され、子においてその「印」に従って遺伝子が発現する現象を「ゲノム刷り込み」と呼ぶ。「Igf2/H19遺伝子座」において、前者は父親から、後者は母親から受け継いだ時にのみ発現する。この発現様式は、遺伝子座内の「Imprinting Control Region ; H19-ICR」により規定され、同領域は由来する親の性依存的にDNAのメチル化状態が異なる。H19-ICRは精子でのみメチル化され、卵ではされないため、生殖細胞特異的にメチル化するためのcis配列情報がH19-ICR内に存在することが示唆される。本研究は、酵母人工染色体導入マウス(YAC-TgM)の実験系を用いて、由来する親の性依存的に、非対称なDMRのメチル化を指令するゲノム配列を同定することにより、ゲノム刷り込みのメカニズムを解明することを目的とする。 同目的の達成のために、申請者は平成24年度に以下の実験を行った。 (1)YAC-TgMで観察された、受精後刷り込みメチル化に関わる酵素を同定するために、複数のDNAメチル化酵素遺伝子破壊マウスと、YAC-TgMとの交配をおこなった。その結果、2種類の酵素が同現象に必要であることが明らかとなった。 (2)母親由来H19-ICRの非メチル化状態の維持に、同配列内のOct-Sox結合配列が関与することが示唆されている。同仮説の検証のために、Oct-Sox結合配列を欠損するYAC-TgMを作製し、そのメチル化解析をおこなった。 (3)メチル化刷り込みの確立に必要なcisDNA配列を同定するために、H19-ICR配列の欠失変異体を用いて、YAC-TgMを作製し、その存在範囲を絞り込むことができた。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] The H19 imprinting control region mediates preimplantation imprinted methylation of nearby sequences in yeast artificial chromosome transgenic mice2013
Author(s)
Okamura, E., Matsuzaki, H., Sakaguchi, R., Takahashi, T., Fukamizu, A., and Tanimoto. K.
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Journal Title
Mol. Cell. Biol.
Volume: 33
Pages: 858-871
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Sequences in the H19 ICR that are transcribed as small RNA in oocytes are dispensable for methylation imprinting in YAC transgenic mice2012
Author(s)
Takahashi, T., Matsuzaki, H., Tomizawa, S.-i., Okamura, E., Ichiyanagi, T., Fukamizu, A., Sasaki, H., Tanimoto. K.
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Journal Title
Gene
Volume: 508
Pages: 26-34
DOI
Peer Reviewed
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