2008 Fiscal Year Annual Research Report
電場と動態:膜電位存在下でのイオンチャネルの機能と構造変化の1分子同時計測
Project/Area Number |
20679002
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 啓史 University of Fukui, 医学部, 助教 (50324158)
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Keywords | イオンチャネル / 1分子計測 / 構造変化 / 放射光 / 機能 / 同時計測 / ダイナミクス |
Research Abstract |
膜蛋白質が膜電位存在下でどのような動態を示すのか、という根源的な問いに答えるべく、KcsAカリウムイオンチャネルを用いて1分子動態・機能同時測定系の開発を行った。研究プロジェクト全般を通じて取り組む以下の項目についての本年度の取り組みを記す。 「溶液交換可能な測定チャンバーの開発」X線照射によってバックグラウンドノイズの原因となる素材は測定チャンバーには使用できないため、ノイズの少ない素材の検討を行った。その結果、金粒子からの回折像を観測できる基板素材、素材厚を決定することに成功した。この素材を用いて試験微小流路を作製し、流路幅、流路高、送液速度のパラメータの最適化を検討中である。 「脂質膜平面でのKcsAチャネル蛋白質の固定法の確立」:本年度の目標は1分子蛍光観察システムを立ち上げることであった。蛍光の定量性、観測速度、感度といった問題点をひとつひとつ解決し、理想的な高速観測システムの構築に成功した。現在試験データの評価中である。 「高速度測定の実現」:従来法の30フレーム/秒という観測速度では構造変化全体は追跡できないことが示唆されていた。本年度、X線観測システムを刷新することにより、5000フレーム/秒という世界最高速度での1分子構造変化追跡システムを構築することに成功した。 「新規観測プローブの検討」:従来法の観測プローブは1粒子から1つの回折像が得られるのみであったため、運動が大きいと観測フレームから外れる問題点があった。新規観測プローブを探索したところ、1粒子から複数の回折像が得られる粒子作製法に到達した。現在、詳細な解析・検討を行っているところである。
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Research Products
(9 results)