2009 Fiscal Year Annual Research Report
電場と動態:膜電位存在下でのイオンチャネルの機能と構造変化の1分子同時計測
Project/Area Number |
20679002
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 啓史 University of Fukui, 医学部, 助教 (50324158)
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Keywords | イオンチャネル / 1分子計測 / 構造変化 / 放射光 / 機能 / 同時計測 / ダイナミクス |
Research Abstract |
カリウムイオンチャネルの機能・動態同時計測を実現するため、溶液置換可能な測定チャンバーの開発、脂質平面膜でのKc sAチャネル蛋白質固定法の確立、高速度測定の実現、新規観測プローブの検討、の各課題に取り組んだ。 微小流路(流路厚10~20μm)を用いて~100ms程度の速さで溶液置換が可能な2液置換チャンバーの開発に成功し、放射光施設で利用可能なレイアウトにポンプ、センサー、流路を組み上げ、バックグラウンドノイズの小さいチャンバー開発に成功した。脂質平面膜内での固定法については有機溶媒中で貼り合わせ法を用いて膜面積を調整することで抑えられる可能性があることを見出した。高速度測定については、日常的に5000フレーム/秒の観測速度で観測できる系を確立し、データ蓄積を行うとともに結果を日本生物物理学会に報告した。しかし、Spring8で利用可能な2本のビームラインでは、エネルギー範囲、輝度のいずれか一方が不足することがわかり、本年度利用した、海外のビームライン、ESRF(フランス)、SLS(スイス)の放射光施設での実験のほうがよい結果が得られることが分かった。よって22年度はフランスESRFに滞在して実験を行うこととした。新規観測プローブに関しては、レーザーアブレーション法、還元法、真空蒸着法のすべてを試し、またそれぞれでサイズの異なるプローブを作製している。多種の計測に利用可能な粒子の作製に成功したが、サイズ分布を均一にするための精製法について、さらなる検討を要することが明らかになった。
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Research Products
(5 results)