2010 Fiscal Year Annual Research Report
電場と動態:膜電位存在下でのイオンチャネルの機能と構造変化の1分子同時計測
Project/Area Number |
20679002
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 啓史 福井大学, 医学部, 講師 (50324158)
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Keywords | 生理学 / 生体分子 / 生物物理学 / 放射線 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本年度はヨーロッパ放射光施設(ESRF)に滞在して研究を行った。X線1分子計測法では、蛋白質の構造解析で利用されている単色光とは異なり、エネルギー範囲が広い白色光を用いる。また1分子計測であるため集光された輝度の高いX線が必要である。しかし、利用者が少ないため、計測法に最適なエネルギー特性および輝度特性をもつビームラインはない。そこで、ESRFのMichael Wulff博士、Rennes大学のLaurent Guerin博士の協力を得て、本計測法に最適な観測光のスペクトルを求めて検討した。その結果、蛋白質に損傷を与えやすい低エネルギーのX線を含まず、かつ広いエネルギー範囲と高い輝度を持つX線スペクトルをデザインすることに成功した。 また、ESRFに滞在して研究を遂行することにより、研究課題に対する協力者の輪が広がった。Antoine Royant博士,David von Stetten博士の協力により、光でイオンチャネルの構造変化を開始する光トリガー計測システムの構築に成功した。これにより、運動開始点をそろえて構造変化の時間発展を記録することが可能になった。 上記観測光と光トリガー計測システム、および高速撮像システムを用いてイオンチャネルの1分子構造変化計測データを蓄積した。 溶液置換観測チャンバーについては溶液置換時の圧力変化に対応するため、流路構造を安定化するデザイン変更を行った。 FRET計測については有用な蛍光プローブのペアを探索し、その組み合わせを決定した。
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Research Products
(7 results)