2011 Fiscal Year Annual Research Report
電場と動態:膜電位存在下でのイオンチャネルの機能と構造変化の1分子同時計測
Project/Area Number |
20679002
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 啓史 福井大学, 医学部, 講師 (50324158)
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Keywords | 生理学 / 生体分子 / 生物物理学 / 放射線 / 蛋白質 / 1分子計測(SMD) |
Research Abstract |
本課題では、1分子電流と1分子構造変化の同時計測システムの開発を目指して研究を進めてきた。順調に開発は進んでおり、中間評価も「中間評価A当初目標に向けて順調に研究が進展しており、期待通りの成果が見込まれる」とされている。下記にこれまで開発に成功した事項を列挙する。 1.新たな観測システムの導入により、1分子電流計測と同等の観測速度である、5000フレーム/秒の観測速度を実現した。本業績により、2010年文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞した。 2.1分子電流・動態同時計測チャンバー開発の要素技術開発のため2溶液置換チャンバー開発を行い、100msの速度で2溶液が置換可能な溶液置換チャンバーの開発に成功した。溶液流制御、チャンバー素材決定という重要な要素が確定した。 3.SPring8で観測に必要な集光された白色X線のビームラインが廃止された。ヨーロッパ放射光施設(ESRF)に1年滞在し、ビームラインが通常提供しているX線ではなく本手法に最適化したX線スペクトルを現地研究者とともに「創る」ことに成功した。 4.リガンド依存性チャネルを含む多くの膜蛋白質に適応可能なシステムとするためには開閉の開始リガンド濃度を光で制御し、観測中に任意のタイミングで開閉を開始できるシステムの開発に成功した。 5.5000フレーム/秒という高速度測定によって得られる大量の画像データ解析プログラム開発に成功。本解析プログラムは1分子電流・動態同時計測システムにおいて必要不可欠であり、計測システムの重要な要素技術が確立したことを意味する。 初期解析結果をアメリカ生物物理学会で発表した。インパクトが高い発表として口頭発表に選出された。
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Research Products
(9 results)