2008 Fiscal Year Annual Research Report
認識機構に着目した感染とがんに対する生体防御システムの分子機構の解明
Project/Area Number |
20679003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高岡 晃教 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30323611)
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Keywords | パターン認識受容体 / DNA / 感染 / がん / 生体防御 |
Research Abstract |
一昨年同定したDAI(DLM-1/ZBP1)以外にも細胞質内でDNAを認識する分子の存在が示されていることから, 新たなDNA認識に関わる分子を検索し, 細胞質DNAによる自然免疫応答の活性化メカニズムを解明することを本年度の主要な目標として研究を推進した. poly (dA : dT)・poly (dT : dA)にマグネットビーズを結合させたものをbaitとして, それに結合性を示す蛋白質をMASSによって解析した結果, 10以上の候補蛋白質が同定された. これらの中で, DNA結合領域をもっているものあるいはそれが予想されるものについて, cDNAクローニングを行った. 次に, 過剰発現系で, IFN応答性のルシフェラーゼアッセイおよび定量的RT-PCRによって機能解析を行い, 細胞質DNA刺激による応答性が有意に増強されるものが数種類確認され, これらを最終候補分子とした. 現在これらの候補分子がDNAセンサーとして機能しうるか, DNA刺激による細胞内動態についてイメージング解析や表面プラズモン共鳴などを用いたDNA結合性に関する詳細な解析を行っている. 同時にsmall interfering RNA (siRNA)を用いた解析も進行中であり, いずれにしても今後, 細胞質DNAによる自然免疫応答活性化の分子メカニズムを明らかにする予定である. 一方, もう一つの課題としてのがん細胞排除機構における自然免疫系による認識機構の解析に関しては, 核酸認識による自然免疫系の活性化の可能性について検討するための実験系を構築中であり, 前課題で見出した分子の関与を含め, 引き続き, 検討する予定である.
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Research Products
(3 results)